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介護職員の賃金を改善!介護職員処遇改善加算の算定要件とQ&A

介護職員処遇改善加算 算定要件 Q&A

いつもお世話になっています!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。

突然ですが、介護士の給与は他の職種と比較して、賃金の格差があるということを聞いたことがありますか?

もちろん、その通りで現在他の産業と比べ、介護職員の賃金は低いといわれています。

処遇改善等で少しずつ上がってはいる様子ですが、現在もまだ低い状況が続いているようです。

 

ましてや今後、日本は超高齢社会を迎えるにあたり、介護士不足は50万人と言われています。

 

そのために国はこの賃金格差と、なり手不足の状況を改善するため以前から処遇改善ということで、ある一定の基準を満たした施設に介護職員処遇改善加算という名目で賃金の上乗せを図っています。

ってことで、今回は『介護職員の賃金を改善!介護職員処遇改善加算の算定要件とQ&A』について話したいと思います。

1.基本的な考え方

平成23年度までは介護職員処遇改善交付金(以下、交付金)という賃金改善の手当てが存在していました。

この交付金を平成24年度より介護報酬に移行し、継続して賃金改善を行えるようにしていく目的で介護職員処遇改善加算は創設されました。

 

この介護職員処遇改善加算の主な目的として

が求められています。

 

また介護職員処遇改善加算は介護報酬改定ごとに変更がされており、平成30年度の改定では介護医療院の開設に関する内容や、積極的に取得されていない施設には減算などの項目が盛り込まれるようになりました。

2.取得可能施設

介護職員処遇改善加算を取得するには、当たり前ではありますが介護サービスに従事する『介護職員』がいる施設形態でないと取得ができません。

 

この介護職員処遇改善加算が取得できる施設体系は以下の通りです。

介護職員処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(平成30年度)より抜粋

3.加算の種類

介護職員処遇改善加算にはランクが存在し、(Ⅰ)~(Ⅴ)まであります。

この介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)には当然要件があり、

キャリアパス要件(Ⅰ)~(Ⅲ)全て

職場環境等要件を満たす

キャリアパス要件(Ⅰ)~(Ⅱ)全て

職場環境等要件を満たす

キャリアパス要件(Ⅰ)又はキャリアパス要件(Ⅱ)

職場環境等要件を満たす

キャリアパス要件(Ⅰ)キャリアパス要件(Ⅱ)

又は

職場環境等要件のいずれかの要件を満たす

キャリアパス要件(Ⅰ)、キャリアパス要件(Ⅱ)

及び

職場環境等要件

のいずれの要件も満たさない

となっています。

4.キャリアパス要件とは

介護職員処遇改善加算の算定要件で、キャリアパス要件というのがありましたが、キャリアパス要件とはいったい何なのでしょうか?

キャリアパス要件とは前述した通り(Ⅰ)~(Ⅲ)の要件があり、それぞれ内容が違います。

 

イ~ハの全てが当てはまるもの

イ. 介護職員の任用の際における職位、職責又は職務内容等に応じた任用等の用件(介護職員の賃金に関するものを含む。)を定めていること。

ロ.イに掲げる職位、職責又は職務内容等に応じた賃金体系(一時金等の臨時的に支払われるものを除く。)について定めていること。

ハ.イ及びロの内容について就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備し、全ての介護職員に周知していること。

 

 

イ~ロの全てが当てはまるもの

イ.介護職員の職務内容等を踏まえ、介護職員と意見を交換しながら、資質向上の目標及び一又は二に掲げる事項に関する具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保していること。

一.資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等を実施(OJT、OFF-JT 等)するとともに、介護職員の能力評価を行うこと。

二.資格取得のための支援(研修受講のための勤務シフトの調整、休暇の付与、費用(交通費、受講料等)の援助等)を実施すること。

ロ.イについて、全ての介護職員に周知していること。

 

 

イ~ロの全てに当てはまるもの

イ.介護職員について、経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けていること。具体的には、次の一から三までのいずれかに該当する仕組みであること。

一.経験に応じて昇給する仕組み
「勤続年数」や「経験年数」などに応じて昇給する仕組みであること

二.資格等に応じて昇給する仕組み
「介護福祉士」や「実務者研修修了者」などの取得に応じて昇給する仕組みで
あること。ただし、介護福祉士資格を有して当該事業所や法人で就業する者につ
いても昇給が図られる仕組みであることを要する。

三.一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み
「実技試験」や「人事評価」などの結果に基づき昇給する仕組みであること。
ただし、客観的な評価基準や昇給条件が明文化されていることを要する。

ロ.イの内容について、就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備し、全ての介護職員に周知していること。

 

5.職場環境等要件とは

介護職員処遇改善の算定要件には、キャリアパス要件とともに職場環境等要件というのがあります。

これは介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)毎に要件が異なります。

職場環境等要件は以下の通りです。

平成 27 年4月から届出を要する日の属する月の前月までに実施した処遇改善(賃金改善を除く。)の内容(別紙1表4を参照)を全ての介護職員に周知していること。

平成 20 年 10 月から届出を要する日の属する月の前月までに実施した処遇改善(賃金改善を除く。)の内容(別紙1表4を参照)を全ての介護職員に周知していること。

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6.加算の計算方法

介護職員処遇改善加算は各施設によって加算率が違います。

計算式として

(基本サービス費 + 加算減算) × サービス別加算率

 

サービス別加算率は以下のようになっています。

介護職員処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(平成30年度)より抜粋

介護職員処遇改善加算は(Ⅰ)~(Ⅳ)までの加算割合が存在しています。

ちなみに介護職員処遇改善加算では区分支給基準額から除外されているので、注意が必要です。

 

7.賃金改善の考え方

7.1.どの賃金に上乗せするのか

介護職員処遇改善加算は介護職員に対しての賃金の改善を行わなければなりません。

賃金改善は基本給に上乗せするのが望ましいですが、難しい場合は

で支払わなければなりません。

ただし、基本として介護職員処遇改善加算を取得している場合は、介護職員の賃金水準を下げてはいけません。

もし事業所の経営悪化などで資金繰りが厳しく賃金水準を引き下げる場合は、特別事情届出書を提出する必要があります。

7.2.賃金水準の比較

介護職員処遇改善加算の提出書類などで賃金改善にかかる賃金水準の比較を行わなければなりません。

賃金改善の比較は

加算を取得している賃金水準

加算を取得していない賃金水準

という差で計算して求めます。

ただし、勤務実績がない介護職員の場合は、勤続年数等が同等の介護職員で比較を行います。

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7.3.賃金改善の留意点

介護職員処遇改善加算を取得した事業者は、介護職員の賃金改善と一緒に

を満たす必要があります。

この2つの要件を満たすための費用は、賃金改善に必要とする費用に含まれないようにしなければなりません。

8.介護職員処遇改善計画書の作成

介護職員処遇改善加算を取得するにあたり、役所へ書類を提出しないことには算定できません。

その書類というのが以下の書類です。

介護職員処遇改善計画書は別紙様式2を使用して書くので、内容を見ながら慎重に記載してください。

同一法人で複数の介護サービス事業所等を所有している場合や、個別に届け出るのが適当でない場合は、法人が一括して介護職員処遇改善計画書を作成することができます。

また同一の就業規則等で運営されている場合や、同じ法人で圏域を越えて所在する複数の介護サービス事業所棟も同様に一括で作成可能です。

その際は以下のとおり作成、提出する必要があります。

 

上記の様式は書類業務削減により令和2年3月5日をもって廃止となり、以下の様式を使用することとなりました。

 

9.Q&A

介護職員処遇改善加算のQ&Aは膨大にある為、下記のサイトより検索してみてください。

介護サービス関係 Q&A集[PDF形式:2,207KB](厚生労働省)

ctrl + Fで検索を開き、”介護職員処遇改善加算”と検索すると一覧が出てきます。

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10.参考

11.最後に

介護職員処遇改善加算は施設に介護職員が定着することを目的に設置されています。

介護職員処遇改善加算(Ⅳ)と(Ⅴ)は経過措置として設定されており、期間が過ぎると廃止となるので、取得することは出来ません。

特定処遇改善加算では加算上位の条件でしか算定できないので、この介護職員処遇改善加算もなるべく(Ⅰ)を取るようにしていく必要があるでしょう。



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