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低栄養状態改善を評価! 低栄養リスク改善加算の算定要件とQ&A

低栄養リスク改善加算 算定要件 Q&A

いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。

平成30年度の介護報酬改定では、新規加算の創設や既存の加算の算定要件改定などが行われています。

そんな中で新設された加算もあり、『低栄養リスク改善加算』もその中の一つです。

ってことで、今回は『低栄養状態改善を評価!低栄養リスク改善加算の算定要件とQ&A』について話したいと思います。

▼目次▼

1.低栄養リスク改善加算とは?

低栄養リスク改善加算は平成30年度の介護報酬改定で創設された新規加算です。

低栄養リスク改善加算とはその名の通り、低栄養リスクが高い入所者を評価し、低栄養状態を改善することを目的とした加算です。

この加算は多職種で計画を作成、頻回にアプローチすることが大事だとしてます。

2.取得可能な施設形態

この低栄養リスク改善加算は栄養管理体制加算と同様の施設にて取得可能です。

  • 介護老人福祉施設
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設
  • 介護医療院

3.加算点数

低栄養リスク改善加算の加算点数は以下のようになっています。

点数
低栄養リスク改善加算 300単位/月

4.算定要件

低栄養リスク改善加算の算定要件は以下のようになっています。

  1. 栄養マネジメント加算を算定している施設であること
  2. 経口移行加算・経口維持加算を算定していない入所者であること
  3. 低栄養リスクが「高」の入所者であること
  4. 新規入所時又は再入所時のみ算定可能とすること
  5. 月1回以上、多職種が共同して入所者の栄養管理をするための会議を行い、低栄養状態を改善するための特別な栄養管理の方法等を示した栄養ケア計画を作成すること(作成した栄養ケア計画は月1回以上見直すこと)。 また当該計画については、特別な管理の対象となる入所者又はその家族に説明し、その同意を得ること
  6. 作成した栄養ケア計画に基づき、管理栄養士等は対象となる入所者に対し食事の観察を週5回以上行い、当該入所者ごとの栄養状態、嗜好等を踏まえた食事・栄養調整等を行うこと
  7. 当該入所者又はその家族の求めに応じ、栄養管理の進捗の説明や栄養食事相談等を適宜行うこと。
  8. 入所者又はその家族の同意を得られた日の属する月から起算して6か月以内の期間に限るものとし、それを超えた場合においては、原則として算定しないこと。

引用:平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

これらの算定要件を少し紐解いてみたいと思います。

4.1.栄養マネジメント加算を取得している

低栄養リスク改善加算を算定する大前提として、栄養マネジメント加算』を取得していることが大前提です。

栄養マネジメント加算とは、その名の通り栄養ケア・マネジメントを計画的に行うことを評価する加算です。

下記のリンク先に、栄養マネジメント加算の詳しい内容は書いてありますので、確認してみて下さい。

この低栄養リスク改善加算は低栄養リスクの状態が『高』でないと取得は出来ないです。

4.2.経口維持加算・経口移行加算・褥瘡マネジメント加算の同時算定不可

低栄養リスク改善加算では、経口維持加算経口移行加算を同時に算定してはいけないことになっています。

また低栄養リスク改善加算を取得可能な利用者が褥瘡を発症していた場合。

この褥瘡発症者に対して低栄養リスク改善加算と褥瘡マネジメント加算を同時に加算取得することは出来ません。

褥瘡マネジメント加算については、以下の記事で詳しく説明してあります。

4.3.新規入所又は再入所時に算定可能


低栄養リスク改善加算は原則新規入所時再入所時のみに加算を算定可能となってます。

施設入所時に栄養スクリーニングを行い、低栄養リスクが高いと見込まれた時に算定が可能です。

また栄養ケア計画作成日の属する月から6カ月以内を目安に加算取得が可能です。

6カ月の間に低栄養状態から改善された場合は算定終了となります。

目安は栄養スクリーニングでの評価が低栄養リスクでなくなったときです。

ただし例外があり、低栄養状態が6カ月を過ぎても改善せず、6か月以降も継続していけば改善が見込まれる状態だった場合は、6カ月以降も算定可能となります。

6カ月を超えて算定する場合には管理栄養士が医師か歯科医師の指示をおおむね2週間ごとに受けなければなりません。

この医師か歯科医師からの指示は決まった様式はなさそうなので、栄養ケア計画の経過記録欄に記載してもらうか、、、

別個に指示書のような様式を作り、それにサインや指示内容などを貰えるようにしててもいいかもしれません。

4.4.多職種共同での会議開催と特別な栄養ケア計画の作成


栄養マネジメント加算と同じで、低栄養リスク改善加算でも栄養ケア計画を立案する必要があります。

この栄養ケア計画は通常の栄養マネジメント加算の栄養ケア計画と別個に作る必要はなく、一体的に作成するものです。

栄養ケア計画は平成30年度の別紙(栄養マネジメント加算及び経口移行加算等に関する事務処理手順例及び様式例の提示について)の別紙2に記載されています。

この栄養マネジメント加算では栄養ケア計画は3月に一度は見直す必要がありますが、低栄養リスク改善加算は違います。

低栄養リスク改善加算では、月に1回以上多職種が共同して会議を行い、栄養ケア計画を作成しなければなりません。

この会議を行わなければ、算定が出来ないです。

ここで言う多職種とは主に

  • 医師
  • 歯科医師
  • 管理栄養士
  • 看護師
  • 介護支援専門員
  • その他職種

となっています。

なので低栄養リスク改善加算の会議に関する記録を残す必要があります。

介護福祉施設では栄養ケア計画の内容を施設サービス計画の中に盛り込んで、それを栄養ケア計画としても構いません。

4.5.対象の入所者又はご家族の説明・同意・相談

低栄養リスク改善加算の栄養ケア計画は、栄養ケアマネジメント加算と同様に入所者又は家族へ加算の説明と同意が必要です。

この説明と同意のサインとして、栄養ケア計画にサイン欄があるので、そこにサインを貰うようにしましょう。

また入所者やご家族の求めに応じて、栄養管理の進捗の説明や栄養食事相談等を行わなければなりません。

4.6.医師又は歯科医師の指示を受けた管理栄養士又は栄養士が行う

低栄養リスク改善加算を目的に作成した栄養ケア計画を実施するに当たり、栄養マネジメント加算と違うところは『医師又は歯科医師の指示』という点です。

この『医師又は歯科医師の指示』があった旨を記録として残しておく必要があります。

記録は

が考えられますが、これ以外にも特に留意事項にも記載されてないので様式はなんでも構わないような気がします。

また歯科医師の指示とありますが、平成30年度のQ&A問71にも書いてあるように必ずしも必須では無いです。

この歯科医師が指示を出す場合、支持を受ける管理栄養士が主治医から療養に関する栄養指導を受けている事が必要ですので、注意してて下さい。

4.7.食事の観察を週5回以上行う

栄養ケア計画に沿って、管理栄養士等は対象の入所者の食事観察を行う必要があります。

食事観察の回数頻度として、週5回以上行うことになってます。

食事観察で、

5(22)③栄養状態、嗜好等を踏まえた食事の調整等を実施すること

引用:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について

となっていますので、この点を注意して食事観察を行う必要があります。

食事観察では原則として管理栄養士が行うことになっていますが、勤務の都合などで週5日出勤が難しい場合があります。

そのような時は、介護職等が代わりに食事観察を行い、結果を管理栄養士に報告すればOK!!

5.Q&A

問 81 週5回以上の食事の観察について、管理栄養士は必ず週5回以上実施する必要があるか。

答)・食事の観察については、管理栄養士が1日1回、週5日以上実施することを原則とする。

・病欠等のやむを得ない事情により管理栄養士が実施できない場合は、介護職員等の他職種が実施することも差し支えないが、観察した結果については、管理栄養士に報告すること。

問 71 栄養マネジメント加算、経口移行加算、経口維持加算、低栄養リスク改善加算
の算定にあたって歯科医師の関与や配置は必要か。

(答)多職種共同で計画を立案する必要があるが、歯科医師の関与及び配置は必須ではなく、必要に応じて行うものである。
※ 平成 21 年度報酬改定 Q&A(vol.2)(平成 21 年4月 17 日) 共通事項の問5は削除する。
引用:平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)

6.参考

7.最後に

栄養状態の改善を行うことでサルコペニアやフレイルの改善、肺炎などの疾患予防に大きく影響します。

低栄養リスク改善加算は栄養状態を改善する重要な加算ですので、算定要件を満たして取得していきましょう。

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