いつもお世話になっています!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
通所介護で取得できる個別機能訓練加算。
この個別機能訓練加算を取得するには、個別機能訓練計画を作成しなければなりません。
個別機能訓練計画の項目の一つに『目標設定』がありますが、この目標設定、結構目標を立てるのに苦労しませんか?
って、ことで今回は『目標ってどう立てればいいの?個別機能訓練計画の目標設定と記入例!!』について話したいと思います。
目次
1.そもそも個別機能訓練の意味って?
加算には必ず取得するために要件っていうのがあります。
個別機能訓練加算もその一つ。
厚労省の通知には、、、
住み慣れた地域で居宅において可能な限り自立して暮らし続けることを目的とし、生活機能の維持・向上を図るために、個別機能訓練を実施することが求められる。
引用:リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について
という文言があって、この
『可能な限り自立して暮らし続けること』
『生活機能の維持・向上』
が2大テーマとなっているような感じなので、これに沿った計画目標を立てていけばいいんじゃないかなと思います。
2.3つの具体的な聞き取り方法
っていう声が聞かれそうなので、個別機能訓練計画の目標設定方法を順序よく説明していきますね。
まず念頭に入れないといけない事。
それは前述したように
『可能な限り自立して暮らし続けること』
『生活機能の維持・向上』
が重要で、この2つに沿った目標設定が大事となっていきます。
では、具体的な目標の探し方はどうやってしていくのでしょうか?
Pスケは主に以下の手順で行っていきます。
-
- ご本人に希望を聞く
- ケアプランから探し出す
- 興味関心チェックシートから引き出す
では順に行っていきましょう。
2.1.まずは利用者本人の希望を聞こう!
具体的な目標を立てる前に一番重要なのは利用者本人の希望は何なのか?
と言っても過言ではありません。
まずはココ!
ここを聞き出していきましょう。
因みに注意点として、
もし希望が身体機能の『筋力向上』や『歩けるように』とかだったら、
- 『筋力向上』して何がしたいか?
- 『歩けるように』なって何がしたいのか?
というような質問をして、活動・参加に沿った希望を聞きだしていきましょう。
って、簡単に話して下さいます。
2.2.ケアプランから導き出す
ケアプランにもヒントが隠されています。
ケアプランをしっかりと目を通していくと・・・
『長期目標』『短期目標』が書いてあります。
この長期目標・短期目標を参考に個別機能訓練計画書の目標にしていきましょう。
ただし!注意点!!
ケアプランの目標をそのまま転記するのも構わないですが、なるべくしてもらいたい事は
- ほんとにしたいか利用者に確認すること(合意形成)
- 文言に自分なりの評価を加えて書く(特に短期目標)
っていう所に注意して書いてみましょう。
だけど、利用者本人に聞いても、
とか言われて希望が本人に聞いても出てこなかったり、合意形成できなかったりする人いますよね?
そういう時に使うのが、
これを使って調べていきましょう。
2.3.興味・関心チェックシートの使い方
興味・関心チェックシートは付け方は人によって様々。
なのでPスケが実際行っている方法をお伝えします。
興味・関心チェックシートを上手く活用する方法手順として
- ご本人と一緒に付けていく
- 『してみたい』『興味がある』項目の〇部分をチェック
- 〇がついている事柄について話す
という手順で行っています。
2.3.1.ご本人と一緒に付けていく
Pスケとしては、興味・関心チェックシートは機能訓練指導員と一緒に〇付けをしていくことを推奨します。
これはより一層の質問項目の理解を深めるためです。
とつけて頂くのもありだと思いますが、話しながら聞くことによって、
- 視覚が弱って誤認することをなくす
- 理解が出来るように説明する
- 大事な書類だと認識してもらうなど
分かりやすくする意味もありますが、一番は『なぜそれを選んだのか経緯を聞ける』ってところです。
これは今後の訓練を進めるにあたって目標の動機付けになり、モチベーションが下がった時などの声掛けにも使えたりするからです。
また
そういう時は
などの言葉かけが大事になってきます。
2.3.2『してみたい』『興味がある』項目の〇部分にチェック
機能訓練指導員と一緒に付けた興味・関心チェックシートはいくつか〇が付いてきます。
そうすることで、利用者本人が『何に興味があって、何をしてみたいか』が経緯と共に具体的に聞き出せて来るかと思います。
この〇を付けた項目を赤ペンなどでチェックしていきましょう。
チェックとしてはこんな感じ。
『興味がある』『してみたい』を〇するだけでもいいし、
色分けするのもありだと思います。
なるべく利用者や機能訓練指導員が分かりやすいようにチェックをしていきましょう。
2.3.3.〇が付いている部分を深めていく
興味・関心チェックシートの〇が付いてる部分を分かりやすいようにチェックしたら、
次にするのはその付いている項目の内容を深めていくことが大事になってきます。
そう、深めるっていうのは
- 本当にしたいのを選ぶ
- より内容を具体的にする
という行為を行っていきます。
2.4.1.本当にしたいのを選ぶ
まずはこのチェックして頂いた中から『本当にしたい』のを選んでいきます。
先ほどの図で出てきた興味・関心チェックシートで〇が付いた部分は以下の通り。
【してみたい】
- 自分でトイレに行く
- 料理を作る
- 買い物に行く
【興味がある】
- パソコン・ワープロ
- お茶・お花
ここで今、本当にしたいものを1~2つ、利用者と機能訓練指導員とで話し合いながら決めていきます。
これは現在の身体状況を見ると実現しにくいものでも、本人がしたいと思うものであれば選択していきます。
また選ぶ順序は特に決まってないのですが、
- 『したい』
- 『興味がある』
の順にしていくと選択しやすいのではないかと思います。
例え『したい』に〇が付いているのに、『興味がある』の物から選ばれても特に問題はありません。
また選ばれた項目は必ずICFの定義『活動』か『参加』かに分ける必要があります。
『活動』・・・主に個人として日常生活を営むために必要な食事や着替え、入浴などのADLや料理や洗濯などのIADLなど
『参加』・・・主に地域・家庭の中での何らかの役割を指しています。家庭内の家事の役割の他にも地域行事の参加、地域の囲碁クラブ、趣味・スポーツへの参加など
このように活動なのか参加なのかは『個人』か『地域・家庭の中での役割』が判断材料となっています。
3.長期目標はより具体的に
上でピックアップした『したい』『興味がある』ものの中で、
- 料理を作る
を選ばれたとします。
4.短期目標は出来ない問題点を出来るように
長期目標で『味噌汁を作る』に決定しました。
では次に短期目標を決めていきましょう。
この利用者なぜ、『味噌汁を作る』事が出来ないんでしょうか?
この際に使うのが
別紙様式3-2(生活機能チェックシート) であったり、生活機能チェックシートで読み取れない場合は機能訓練指導員の評価で判断します。
大丈夫です!
評価は本人と一緒に味噌汁を作る一連の動作を行い、出来ないところを見ていきましょう。
できなかった場合は模擬的に動作を行ってもらう事も重要です。
例えば味噌汁を作るであったら
作る料理の選択
材料は選べるか
材料を持てるか
包丁や道具は使えるか
立って?座って?
補助具・自助具の選定
火をつかえるか
道具の準備等
ここで挙げたこと以外にも環境や認知症等の疾患を考え、隈なくみて出来ていないところを探し、その項目を短期目標として掲げていきます。
例えば、『包丁を使って上手く切れない』状態があったとします。
だったらそのまま『包丁を上手くつかえるようになる』と短期目標に記入していきましょう。
これで一通り完成です。
5.最後に
目標設定はただ形式的に書くのでは無く、利用者それぞれの個別性が出るようにしていかなければなりません。
また内容も具体的で分かりやすい言葉で書くことが大事だと思います。
なので利用者が率先して行えるような目標設定を掲げていきましょう。