いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
平成30年度の介護報酬改定では様々な新規加算の創設や算定要件の変更などがありました。
その中の一つに『口腔衛生管理加算』があります。
ってことで今回は、『[平成30年度改定]口腔ケア対象者の拡大を目的に 口腔衛生管理加算の算定要件とQ&A』について話したいと思います。
目次
▼目次▼
1.口腔衛生管理加算の意味と背景
2.取得可能な施設
3.点数
4.算定要件
4.1.口腔衛生管理体制加算の取得
4.2.説明と同意
4.3.月2回以上の口腔ケアと介護職員に助言・指導の実施
4.4.口腔衛生管理に関する実施記録
4.5.歯科医療サービスへの情報提供
4.6.歯科訪問診療料と併用可。しかし、、、
5.Q&A
6.参考
7.最後に
1.口腔衛生管理加算の意味と背景
以前より加算として存在していた口腔衛生管理加算。
この口腔衛生管理加算は歯科医師の支持の元で歯科衛生士が月4回以上の口腔ケアを行った場合に算定される加算でした。
しかしこの月4回以上の口腔ケアがネックとなり、施設入所者対象の口腔衛生管理加算の取得率は6.7%と低い状況となっています。
口腔ケアは肺炎予防や接触嚥下機能の低下を防止する事が出来ます。
また表にもあるように、月2回以上の口腔ケアの介入でプラーク付着や歯石沈着の低下など一定の効果があります。
その為、今回の介護報酬改定では口腔ケアの対象者拡大を目的に介入回数の緩和などの見直しが行われました。
2.取得可能な施設
口腔衛生管理加算が取得可能な施設は以下のようになっています。
- 介護老人福祉施設
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
- 介護老人保健施設
- 介護療養型医療施設
- 介護医療院
3.点数
口腔衛生管理加算は改定前は110単位/月でしたが、介入回数緩和により改定後は点数が下がりました。
単位数 | |
口腔衛生管理加算 | 90単位/月 |
4.算定要件
4.1.口腔衛生管理体制加算の取得
取得前に確認しておかないといけないことは、口腔衛生管理体制加算を取得しているかというところです。
口腔衛生管理体制加算を簡単に言うと、介護職員に月1回以上の口腔ケアに関する指導、助言を行った場合に算定可能な加算です。
この口腔衛生管理体制加算を取得してないと、口腔衛生管理加算は取れないので、注意をしましょう。
4.2.説明と同意
口腔衛生管理加算を取得する為には、入所者と家族に内容の説明と同意を得ることが必要となってきます。
説明内容として具体的に以下の文言です。
- 口腔衛生管理加算の説明
- 口腔衛生管理加算を実施する同じ月に訪問歯科衛生指導の有無の確認
一部引用:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について
4.3.月2回以上の口腔ケアと介護職員に助言・指導の実施
口腔衛生管理加算を取得するには、歯科衛生士が以下の内容を実施することで算定可能となります。
1.ル 口腔衛生管理加算
イ 歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、入所者に対し、口腔ケアを月2回以上行うこと。
ロ 歯科衛生士が、イにおける入所者に係る口腔ケアについて、介護職員に対し、具体的な技術的助言及び指導を行うこと。
ハ 歯科衛生士が、イにおける入所者の口腔に関する介護職員からの相談等に必要に応じ対応すること。
4.4.口腔衛生管理に関する実施記録
口腔衛生管理加算では以下の内容を『口腔衛生管理に関する実施記録』として記載し、施設に提出する必要があります。
- 口腔に関する問題点
- 歯科医師からの入所者に対する口腔ケアに関する指示内容の要点
- 歯科衛生士が実施した口腔ケアの内容
- 介護職員への技術的助言、指導内容など
これらの内容を別紙様式3を参考にして作成しなければなりません。
同じ書式でなくても大丈夫みたいなので、上記要点を含んでいれば問われることはないと思います。
この『口腔衛生管理に関する実施記録』は施設で保管するようになっています。
また『口腔衛生管理に関する実施記録』は入所者やその家族に対して必要性がある場合、写しを提供するようになってますので注意して下さい。
4.5.歯科医療サービスへの情報提供
入所者に対して口腔衛生管理上、口腔の状態の悪化等で医療保険での対応が必要になった場合。
入所者が適切な医療サービスを受けられるように歯科医師や施設へ情報提供を行う必要があります。
4.6.歯科訪問診療料と併用可。しかし、、、
基本は介護保険と医療保険の同時間の併用は算定できません。
ただ口腔衛生管理加算と歯科訪問診療料との併用は算定可能です。
しかし訪問歯科衛生指導料が3回以上算定された場合、口腔衛生管理加算は算定できないので注意が必要です。
5.Q&A
問 76. 口腔衛生管理体制加算及び口腔衛生管理加算における「歯科衛生士」とは、施設職員に限定されるのか。もしくは、協力歯科医療機関等の歯科衛生士でもよいのか。(答)両加算ともに、施設と雇用関係にある歯科衛生士(常勤、非常勤を問わない)または協力歯科医療機関等に属する歯科衛生士のいずれであっても算定可能である。ただし、算定にあたっては、協力歯科医療機関等の歯科医師の指示が必要である。
※ 平成 24 年 Q&A(vol.2)(平成 24 年3月 30 日)問 32 は削除する。
問 77. 口腔衛生管理加算は、一人の歯科衛生士が、同時に複数の入所者に対して口腔ケアを行った場合も算定できるのか。(答)利用者ごとに口腔ケアを行うことが必要である。
※ 平成 24 年 Q&A(vol.1)(平成 24 年3月 16 日)問 188 は削除する。
問 78. 歯科衛生士による口腔ケアが月2回以上実施されている場合に算定できることとされているが、月途中から介護保険施設に入所した者について、入所月は月2回に満たない場合であっても算定できるのか。(答)月途中からの入所であっても、月2回以上口腔ケアが実施されていない場合には算定できない。
※ 平成 24 年 Q&A(vol.1)(平成 24 年3月 16 日)問 189 は削除する。
問 79. 口腔衛生管理加算は、歯科衛生士による口腔ケアが月2回以上実施されている場合に算定できるが、同一日の午前と午後それぞれ口腔ケアを行った場合は2回分の実施とするのか。(答)同一日の午前と午後それぞれ口腔ケアを行った場合は、1回分の実施となる。
※平成 24 年 Q&A(vol.3)(平成 24 年4月 25 日)問 11 は削除する。
問 80. 口腔衛生管理体制加算及び口腔衛生管理加算の算定に当たって作成することとなっている「入所者または入院患者の口腔ケアマネジメントに係る計画」については、施設ごとに計画を作成すればよいのか。(答)
・施設ごとに計画を作成することとなる。
・なお、口腔衛生管理加算の算定に当たっては、当該計画にあわせて入所者ごとに「口腔衛生管理に関する実施記録」を作成・保管することが必要である。
※ 平成 24 年 Q&A(vol.1)(平成 24 年3月 16 日)問 190 は削除する。
6.参考
以下の厚労省サイトでは口腔衛生管理加算の詳細が記載されています。
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について
- 別紙様式3
7.最後に
口腔ケアは摂食嚥下障害や肺炎予防に効果があることが実証されています。
今回の加算は機能低下を予防する為には必要な加算なので、なるべく取得できるような体制を整えていきましょう。