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高齢者施設で車椅子を毎年10台購入することに成功した方法

シーティング メリット

いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。

以外に車椅子の新規購入って、施設によってなかなかしてもらえないこと多くありません?

車椅子などの環境を整えることが重要なことを以前話をさせて頂きました。

今回はPスケが法人の違う2カ所の施設で車椅子購入を提案し、両方の施設で年間購入するようになった話をしたいと思います。

因みに一つの施設では年間10台の車椅子を導入するようになりました。

ということで、今回は『高齢者施設で車椅子を毎年10台購入することに成功した方法』ってことを話したいと思います。

▼目次▼

企画書や提案書で作成・提出しよう


Pスケが思うに介護業界は一般企業と違い、企画書や提案書を提出する風習みたいなのがあまりない気がします。

なので企画書や提案書で提案すると経験上、本気度が伝わり感触として上司に強いインパクトを与えているような気がします。

また書面でしっかり必要性の根拠を述べることで、何がしたいかを伝えやすくなります。

他の提案もそうですが、車椅子の購入提案も企画書や提案書で提出するようにしましょう。

Step1.まずは現状の車椅子を把握しよう


みなさんは今現在、施設に何台車椅子があるかご存知ですか?

まず取りかかることは現在、施設内に車椅子が何台あるかを把握することです。

一台一台把握する際に、以下のことをチェックしましょう。

  • ナンバーを振る
  • 車椅子の種類(普通型、モジュール、リクライニング、ティルト・リクライニング、その他)
  • メーカー名
  • 経過年数(購入年数)
  • 故障の有無(場所)

このチェック作業は故障して放置されている車椅子も対象にして下さい。

チェック作業の時に、一台ずつ車椅子にナンバーを振っておけば、後々にどれを廃棄すればいいか分かりやすくなりますしね。

今後利用者が何番を使用しているかを分かるようにすれば、所在把握もしやすくなります。

これを一台ずつ記載した『車椅子一覧表』と、他に各種類が経過年数ごとに何台あるかが分かる『経過年数表』を作成します。

そうすることで

Pスケ
ウチの施設には耐用年数が結構経っているのがこれだけありますよ
っていいやすいですからね。

Step2.実際、施設に必要な車椅子の台数を把握

施設には故障して使用できない車椅子も処分されずに置いてあったりしません?

使用不可の車椅子まで購入分の台数に含めてしまうとコストがかかります。

また実際、施設に必要な台数以上の車椅子があったりするので、なるべく

現在使用している数 or  定員数 + α(2~3台

程度にしましょう。

なぜ+αかと言うと、汚染や病院受診などの時に交換要因がないと困るからです。

なので+αを含めた、必要な車椅子台数を計算しましょう。

Step3.施設に必要な車椅子台数を種類毎に予測


現在の車椅子状況、施設に必要な車椅子台数を確認できたら、今後施設に必要な車椅子台数を種類毎に予測します。

まず現時点で利用者の身体に合った車椅子の種類と台数を算出します。

大体施設にある車椅子は以下の通りです。

  • 普通型車椅子
  • モジュール型車椅子
  • リクライニング型車椅子
  • ティルト・リクライニング型車椅子

その際に『Hofferの車椅子座位分類』で評価をすれば簡単に車椅子の種類が出せますよ。

詳細の車椅子評価は↓に書いてありますから見てください。

現時点で、どの種類の車椅子が何台必要かが出ましたか?

必要台数算出出来たら、次に過去2~3年ぐらいの利用者利用状況からおおよその傾向を予測し、車椅子の種類ごとに必要台数を出しましょう。

Pスケ的には

  • モジュール型車椅子
  • ティルト・リクライニング型車椅子

を購入する方向での計算を推奨します。

なぜなら利用者のケガや褥瘡のリスク低下、安全な移乗等、様々なメリットがあるからです。

なので『モジュール型車椅子』と『ティルト・リクライニング型車椅子』で車椅子台数を検討しましょう。

Step4.どれぐらいのサイクルで交換するか


次に検討するのが、どれくらいのサイクルで交換していくかです。

車椅子は一台数万円~する高価な物です。

施設の予算などもあるので交換サイクルの具体的な提案は出しますが、上層部と話し合うことが大切だと思います。

因みに『補装具費支給制度』によると、車椅子の耐用年数は6年です。

100台の車椅子を6年で全て交換とすると、
100(台) ÷ 6(年) = 約17台/年

になってしまうので、結構な台数です。

また6年だとあまり故障カ所も少ないので、Pスケは10年サイクルで計算しました。

100(台) ÷ 10(年) = 10台/年

となり、6年よりも台数が減り、購入し易くなります。

ここはホントに、各施設の考え方次第だと思いますので、上層部と話してみることをお勧めします。

Step5.予算を組む


上層部の方たちにとって一番気にしているのが、どれぐらいの金額、見積になるかだと思います。

なるべく予算を組む際には一社だけでなく、三社ぐらいの福祉用具業者から見積を取ることをお勧めします。

なぜなら同じ台数でも値段がバラバラの可能性があるからです。

また複数年に渡り車椅子を定期的に購入することを伝えれば、安くしてくれる可能性もあります。

先程も述べましたが、なるべく購入する際は

  • モジュール型車椅子
  • ティルト・リクライニング型車椅子

優先して購入する様、見積して貰って下さい。

Step6.車椅子を定期的に購入する根拠を述べる


最後にここが大事!

Step1~Step6までをまとめて、一定のサイクルで車椅子を購入する根拠をまとめなければいけません。

車椅子購入の根拠を箇条書きにすると、以下の通りです。

  • 長時間不適合な車椅子に乗ることによる身体の拘縮や機能低下
  • 活動性の低下
  • 車椅子の耐用年数

など

根拠の詳細はこちらに書いてあります。↓

みなさんの施設ごとで考え方が違うと思うので、施設の状況などを取り入れながらバランスを考えて根拠を書いてみてください

まとめ

インパクトを与えるために『提案書・企画書』で提出することが大事です。

提案書・企画書を作成するために、以下の内容を盛り込んでいきましょう。

  • 現状の車椅子を把握
  • 施設に必要な車椅子の台数を把握
  • 施設に必要な車椅子台数を種類毎に予測
  • どれぐらいのサイクルで交換するか
  • 予算を組む
  • 車椅子を定期的に購入する根拠を述べる

車椅子の環境を整えると、利用者やケアに関わるスタッフにもメリットがあります。

少しでもQOLが向上するような環境調整を行っていきましょう。

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