【令和3年度】LIFEへ提出、フィードバックの活用!薬剤管理指導の算定要件とQ&A

薬剤管理指導 算定要件 Q&A

いつもお世話になっています!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。

介護医療院の特定診療費の一つとして以前からあった『薬剤管理指導』。

そのままですが、利用者の薬剤管理指導を行うことで算定できるものでした。

今回の令和3年度の介護報酬改定では今までの算定要件に加え、LIFEへのデータ提出、フィードバックの活用をしていくこととなりました。

って、ことで今回は『【令和3年度】LIFEへ提出、フィードバックの活用!薬剤管理指導の算定要件とQ&A』について話したいと思います。

1.薬剤管理指導とは?

そもそも薬剤管理指導とは、いったい何なんでしょうか?

これは特定診療費の一つで、入所されている利用者に対して

投薬や注射、薬剤管理を行った場合に算定できる加算です。

また疼痛緩和のための投薬や注射を行った場合に、しっかり薬剤管理を行った時も加算されます。

 

令和3年度の介護報酬改定で新たに

服薬情報等を厚生労働省へ提出し、処方時にその情報や処方実施に有効な情報を活用していることで更なる加算がつくこととなりました。

2.取得可能施設サービス

薬剤管理指導を取得できる施設サービスは以下のようになっています。

  • 介護医療院
  • 短期入所療養介護
  • 介護予防短期入所療養介護

3.取得単位数

薬剤管理指導の取得単位数は以下のようになっています。

 単位数
薬剤管理指導350単位/回(週1回、月4回まで)

また要件を満たすことにより以下の加算が所定単位数に加えて算定できます。

 単位数
厚労省(LIFE)提出等所定単位数+20単位/月(1月の最初の算定時加算)新設
疼痛緩和の薬剤使用等所定単位数+50単位/回

4.算定要件

介護医療院などでの薬剤管理指導の算定要件は以下のようになっています。

4.1.施設基準

薬剤管理指導を取得するにあたり施設基準を満たす必要があります。

その施設基準として以下のようなものがあります。

  • 薬剤管理指導を行うのに必要な薬剤師の配置
  • 薬剤管理指導を行うのに必要な医薬品情報の収集および伝達を行うための専用施設を有する
  • 利用者に対して、利用者ごとに適切な薬学的管理(副作用に関する状況の把握を含む)を行い、薬剤師による服薬指導を行う

4.2.薬学的管理指導

薬剤管理指導では

  • 介護医療院
  • 短期入所療養介護
  • 介護予防短期入所療養介護

に入所されている利用者に対して、

  • 投薬
  • 注射
  • 薬学的管理指導

を行った場合に週1回、月4回を限度に算定可能です。

 

4.3.厚生労働省へ情報提出

介護医療院での薬剤管理指導では

入所者ごとの服薬情報等の情報を厚生労働省へ提出します。

また処方の実施に当たって、当該情報その他薬物療法の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用した場合

1月に所定単位数に20単位加えて算定可能になります。

4.4.疼痛緩和の薬学的管理指導

薬剤管理指導では疼痛緩和のための薬学的管理指導を行った場合にも加算が算定できます。

特別な薬剤の投与・注射が行われている利用者に

薬剤の使用に関する必要な薬学的管理指導を行った場合に所定単位数に50単位/回算定できます。

5.留意事項

薬剤管理指導の留意事項として以下の内容があります。

5.1.薬剤師が直接服薬指導

薬剤管理指導では医師の同意を得た介護医療院の薬剤師が行います。

薬剤師は薬剤管理指導記録に基づいて直接服薬指導を実施します。

服薬指導の内容として

  • 服薬に関する注意および効果
  • 副作用等に関する状況把握

があります。

この服薬指導が本人に対して困難だった場合は、本人の家族等に服薬指導を行っても算定可能です。

薬剤管理指導は週1回に限り算定可能です。

また算定する日から感覚を開けなければならず、その間隔は6日以上となっています。

5.2.基礎的事項の把握

薬剤管理指導では自身の介護医療院や可能な限りの医療提供施設の投薬や注射に関する基礎的事項を把握しなければなりません。

具体的には以下の内容を利用者等に面接・聴取をします。

  • 過去の投薬
  • 注射
  • 副作用発現状況等

5.3.最低3年間保存

薬剤管理指導の算定日を請求明細書の摘要欄に記載するのを薬剤師が行います。

この際に薬剤師が利用者ごとに作成する薬剤管理指導記録が存在しますが、これは最後の記入日から最低3年間保存しなければなりません。

薬剤管理指導記録に記載する事項は以下の通りです。

 

  • 利用者等の指名
  • 生年月日
  • 性別
  • 入所年月日
  • 退所年月日
  • 要介護度
  • 診療録の番号
  • 投薬・注射歴
  • 副作用歴
  • アレルギー歴
  • 薬学的管理の内容(重複投薬、配合近畿等に関する確認等も含む
  • 利用者等への指導
  • 利用者等からの相談事項
  • 薬剤管理指導等の実施日
  • 記録の作成日
  • その他事項

5.4.LIFEへの提出

薬剤管理指導の厚生労働省へ情報提出し算定できる加算は

科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence)(通称 LIFE

を使用して行っていきます。

LIFEへの提出頻度は入所者ごとに以下の定める月の翌月10日までに提出をしなければなりません。

 

ア. 算定を開始しようとする月に施設に入所している入所者は、算定を開始しようとする月

イ. 算定を開始しようとする月の翌月以降に入所した入所者は、施設に入所した日の属する月

ウ. 処方内容に変更が生じた日の属する月

エ. ア、イ又はウの月のほか、少なくとも3月に1回

またLIFEへの提出情報として以下の内容を提出していきます。

  • 上記のア、イ及びエの月は、『傷病名』及び『処方薬剤名』の情報
  • 上記ウの月は、『傷病名処方薬剤名薬剤変更等に係る情報提供書』(別紙様式9)にある『変更・減薬・減量の別』『変更・減薬・減量理由』の各項目に係る情報すべて

また提出情報は、以下の時点における情報としています。

  • アに係る提出情報は、算定を開始しようとする月時点の情報及び入所者の施設入所時における情報
  • イに係る提出情報は、入所時における情報
  • ウに係る提出情報は、変更時における情報
  • エに係る提出情報は、前回提出時以降における情報

LIFEに関する詳細は以下のサイトに記載されていますので、ご覧ください。

科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について

この薬剤管理指導ではサービスの質の向上を図るため、LIFE への提出情報及びフィードバック情報を活用しPDCAサイクルを行っていくことが重要とされています。

特に

(Plan) :入所者の病状、服薬アドヒアランス等に応じた処方の検討、

(Do)     : 検討に基づく処方

(Check) : 処方後の状態等を踏まえた総合的な評価

(Action) : その評価結果を踏まえた処方継続又は処方変更

一連のサイクルを行いサービスの質の管理、国民の健康の保持増進及びその有する能力の維持向上に適宜活用されていくことが必要とされています。

5.5.特別な薬剤の場合

薬剤管理指導の疼痛緩和の薬剤使用等で得た加算は、通常の薬剤管理指導に加えて、特別な薬剤の投薬や注射(麻薬を投与されている場合に限る)を使用している利用者が対象です。

これらの利用者に対して通常の薬剤管理指導に加え、麻薬等の薬剤の服用に関する注意事項等に関して必要な指導を行った場合に算定できます。

 

5.6.主治医へ文書で情報提供

薬剤管理指導では利用者に投薬された医薬品で、薬剤師が以下の情報を知った場合。

  • 医薬品緊急安全性情報
  • 医薬品等安全性情報

原則として速やかに利用者の主治医に対して情報を文書で提供しなければなりません。

5.7.薬剤管理指導記録の記載事項

薬剤管理指導で疼痛緩和の薬剤指導等を行った場合に記載する少なくても薬剤管理指導記録には以下の事項について記載が必要です。

  • 麻薬に係る薬学的管理の内容(麻薬の服薬状況、疼痛緩和の状況等)
  • 麻薬に係る利用者等への指導及び利用者等からの相談事項
  • その他麻薬に係る事項

5.8.医師に文書提供

薬学的管理指導の疼痛緩和の薬剤指導等を行った場合は、必要に応じてその要点を文書で医師に提供しなければなりません。

5.9.処方箋

薬剤管理指導の投薬や注射の管理について

原則として注射薬についてもその都度処方箋により行うこととなっています。

しかし緊急でやむを得ない場合は処方箋にて行わなくても大丈夫となっています。

6.Q&A

問4.LIFEに提出すべき情報は「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和3年3月 16 日老老発 0316 第4号)の各加算の様式例において示されているが、利用者又は入所者の評価等に当たっては、当該様式例を必ず用いる必要があるのか。

(答)
・ 「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和3年3月 16 日老老発 0316 第4号)においてお示しをしているとおり、評価等が算定要件において求められるものについては、それぞれの加算で求められる項目(様式で定められた項目)についての評価等が必要である。

・ ただし、同通知はあくまでもLIFEへの提出項目をお示ししたものであり、利用者又は入所者の評価等において各加算における様式と同一のものを用いることを求めるものではない。

令和3年度介護報酬改定Q&A(Vol.5)

問11.薬剤管理指導をするに当たっては、医薬品情報管理室を設置しなければならないが、これは、介護療養型老人保健施設単独で有しなければならないか。

(答)1 医薬品情報管理室は、併設医療機関と兼用して差し支えない。

2 また、医薬品情報管理室は、薬剤管理指導のための「専用」でなければならないが、施設内の一室の一角を医薬品情報管理室として活用することでも差し支えない。

20.4.21事務連絡 介護療養型老人保健施設に係る介護報酬改定等に関するQ&A

7.参考

8.最後に

特定診療費の一つである薬剤管理指導では投薬に関する指導の他に今回からLIFEへ提出することで更なる加算が得られることとなってきました。

今後LIFEへの提出を行い、科学的介護を推進するために重要な加算の一つとなっていますので、情報提供を行い加算を取得していきましょう。

 

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