いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
平成30年度の介護報酬改定で介護医療院が創設されました。
介護医療院や医療の行える施設形態では通常の加算とは別に『特別診療費』が算定できます。
特別診療費の中には重度利用者に対して医学的管理と必要な処置を行うことで算定できる『重度療養管理』があります。
って、ことで今回は『計画的な医学的管理と必要な処置を行おう!重度療養管理の算定要件とQ&A』について話したいと思います。
1.単位数
特別診療費である重度療養管理の単位数は以下のようになっています。
単位数 | |
重度療養管理 | 123単位/日 |
この重度療養管理は、重度の利用者に対して処置を行うことで算定可能となります。
2.対象施設
この重度療養管理が算定できる施設とは、
『医療を提供できる施設』 = 医師が配置
となっており、特定診療費が算定できる施設となっています。
なので『医師の配置』『特定診療費』を満たす以下の施設が算定可能となっています。
- 介護療養型医療施設
- 介護医療院
- 老人保健施設
- 短期入所療養介護
3.算定要件
3.1.対象利用者
重度療養管理を算定可能な利用者として要介護度が以下の利用者に限られています。
要介護4
又は
要介護5
また文言にある通り、計画的な医学的管理を継続して行い、療養上必要な処置を行った場合とあります。
この療養上必要な処置として、以下のような利用者の状態となっています。
- 常時頻回の喀痰吸引を実施している
一月に1日あたり8回(夜間を含め約3時間に1回程度) 以上実施している日が 20 日を超える場合。
- 呼吸障害等で人工呼吸器を使用している
一月に1週間以上人工呼吸又は間歇的陽圧呼吸を行っている。
- 中心静脈注射を実施しており、かつ強心薬等の薬剤を投与している
中心静脈注射を実施し、かつ、塩酸ドパミン、塩酸ドブタミン、ミルリノン、アムリノン、塩酸オルプリノン、不整脈用剤又はニトログリセリン(いずれも注射薬に限る。)を 24 時間以上持続投与している状態。
- 人工腎臓であり、かつ重篤な合併症を有する
人工腎臓を各週2日以上実施しており、かつ、下記に掲げるいずれかの合併症をもつものであること。
a. 透析中に頻回の検査、処置を必要とするインスリン注射を行っている糖尿病
b. 常時低血圧(収縮期血圧が 90mmHg 以下)
c. 透析アミロイド症で手根管症候群や運動機能障害を呈するもの
d. 出血性消化器病変を有するもの
e. 骨折を伴う二次性副甲状腺機能亢進症のもの
f. うっ血性心不全( N Y H A Ⅲ 度以上) のもの
- 重篤な心機能障害や呼吸障害等により常時モニター測定を行っている
持続性心室性頻拍や心室細動等の重症不整脈発作を繰り返す状態、収縮期血圧 90mmHg 以下が持続する状態、又は酸素吸入を行っても動脈血酸素飽和度が 90%以下の状態で、常時、心電図、血圧、動脈血酸素飽和度のいずれかを含むモニタリングを行っている。
- 膀胱または直腸機能障害の程度が身体障害者障害程度等級表の4級以上かつストーマの実施
利用者に対して、皮膚の炎症等に対するケアを行った場合に算定できるものであること。
重度療養管理を算定する際にはこれらの処置に関することを請求明細書の摘要欄に記載
しなければなりません。
ただし複数の処置を行っていた場合は主たる内容のみを記載します。
3.2.処置日の記載
重度療養管理を算定するにあたり、計画的な医学管理を継続して行い、療養上必要な処置を行った場合。
その処置を行った日付について算定できるものです。
重度療養管理における処置を行った際は、
- 処置を行った日
- 処置の内容等
これらの内容を診療録に記載しなければなりません。
4.Q&A
Q7.重度療養管理の算定対象となる状態のうち「常時頻回の喀痰吸引を実施している状態」の具体的内容についてA.重度療養管理の算定にあたっては、所定の要件を満たす患者に対して、計画的な医学的管理を継続して行うことを要する。当該状態については、当該月において1日あたり8回(夜間を含め約3時間に1回程度)以上の喀痰吸引を実施している日が20日を超える場合を算定要件としているため、当該月の入院日が20日以下の場合は算定できない。
しかしながら、患者が退院、転棟又は死亡により重度療養管理の算定用件に係る実施の期間を満たさない場合においては、当該月の前月にも重度療養管理に係る状態を満たす患者であった場合に限り、当該月においても同様に取り扱うこととし、1日あたり8回以上実施した日数に限り算定する。他の病院から転院してきた患者についても同様の取扱いとする。
また、短期入所療養介護の利用者については、在宅における長期にわたり連日頻回の喀痰吸引を継続して実施している状態の利用者であって、短期入所の利用期間中に連日1日あたり8回(夜間を含め約3時間に1回程度)以上の喀痰吸引を実施している場合に限り、短期入所療養介護の利用日数が20日以下であっても算定できる.15.5.30 事務連絡 介護保険最新情報vol.151 介護報酬に係るQ&A
Q8.重度療養管理の算定対象となる状態のうち「常時頻回の喀痰吸引を実施している状態」の患者に対する算定方法についてA.重度療養管理については、所定の状態が一定の期間や頻回で継続し、かつ、当該処置を行っている場合に算定される。
1日あたり8回(夜間を含め約3時間に1回程度)以上実施しているが日が20日を超える場合に当該患者は重度療養管理の算定対象をなり、1日当たり8回以上実施した日について算定する。例えば、1日あたり8回(夜間を含め約3時間に1回程度)以上実施している日が月に25日ある場合は25日(分)について算定する。15.5.30事務連絡 介護保険最新情報vol.151 介護報酬に係るQ&A
Q9.重度療養管理の算定対象となる状態のうち「呼吸障害等により人工呼吸器を使用している状態」の具体的内容についてA.重度療養管理の算定にあたっては、所定の要件を満たす患者については、所定の要件を満たす患者に対して、計画的な医学的管理を継続して行うことを要する。当該状態については、当該月において1週間以上人工呼吸又は間歇的陽圧呼吸を実施していることを算定要件としているため、当該月の入院日数が1週間未満の場合は原則として算定できない。
しかしながら、患者が、退院、転棟又は死亡により十度療養管理の算定要件に係る実施の期間を満たさない場合においては、当該月の前月に重度療養管理に係る状態を満たす患者であった場合に限り、当該月においても同様に取り扱うこととし、人工呼吸器を使用した日数に限り算定する。他の病院から転院してきた患者についても同様の取扱いとする。15.5.30 事務連絡 介護保険最新情報vol.151介護報酬に係るQ&A
Q10.重度療養管理の算定対象となる状態のうち「重篤な心機能障害、呼吸障害等により常時モニター測定を実施している状態については、「持続性心室性頻拍や心室細動等の重症不整脈発作を繰り返す状態」とされているが、ここにいう不整脈は具体的にはどのようなものであるか。A.当該モニターについては、持続性心室性頻拍や心室細動などの生命に危険が大きく常時モニターによる管理が必要とされている場合に該当するものであり、単に不整脈をモニター測定する場合は算定対象とならない
15.5.30 事務連絡 介護保険最新情報vol.151 介護報酬に係るQ&A 10
Q11.重度療養管理の算定対象となる状態のうち「膀胱又は直腸の機能障害の程度が身体障害者福祉法施行規則別表五号に揚げる身体障害者障害程度等級表の4級以上に該当し、かつ、ストーマの処置を実施している状態」について身体障害者手帳の交付を要するか。A.原則として当該等級以上の身体障害者手帳の交付を受けていることをもって判断することになるが、身体障害者福祉法第15条第1項の規定による指定医師(ぼうこう又は直腸機能障害に係る指定医師に限る。)により同等と認められるとの診断書が交付されている場合は同様に取り扱って差し支えない。
15.5.30 事務連絡 介護保険最新情報vol.151介護報酬に係るQ&A
Q12.重度療養管理の算定対象となる状態のうち「膀胱又は直腸の機能障害の程度が身体障害者福祉法施行規則別表五号に揚げる身体障害者障害程度等級表の4級以上に該当し、かつ、ストーマの処置を実施している状態」について、重度療養管理を算定する場合も、人工肛門を造設している入院患者のストーマ用装具について、患者から実費を徴収できるかA.重度療養管理に係る特定診療費にストーマ用装具に費用は含まれず、その他利用料として実費を徴収して差し支えない。なお、障害者施策で給付される場合があるので、市町村への相談に便宜を図る等、適切に対応されたい。
5.参考
6.最期に
介護医療院は平成30年度に開設された比較的新しめの施設形態です。
今回の重度療養管理も特定診療費として少し取得方法が変わっている点があります。
今後も介護保険の流れに注意しながら、日々の勤務を行っていきましょう。