いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
平成30年度の介護報酬改定から創設された『介護医療院』
この介護医療院には強化型相当の『Ⅰ型』。
療養型老健相当の『Ⅱ型』があり、Ⅱ型介護医療院にはさらに3つの区分が存在します。
その中でも真ん中の区分『Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅱ)』があります。
って、ことで今回は『転換老健相当!Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅱ)の算定要件とQ&A』について話したいと思います。
因みに『Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅰ)』については、以下のページで紹介しています。
1.対象施設
今回は併設型小規模介護医療院以外の介護医療院について話します。
- 介護医療院
2.加算点数
Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅱ)の加算点数は『従来型個室』と『多床室』とで加算点数が異なります。
Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅱ)の加算点数は以下のようになっています。
従来型個室 | 多床室 | |
要介護1 | 633 | 742 |
要介護2 | 727 | 836 |
要介護3 | 931 | 1,040 |
要介護4 | 1,018 | 1,127 |
要介護5 | 1,096 | 1,205 |
3.算定要件
Ⅱ型介護医療院サービス費では、Ⅰ型介護医療院サービス費と比べ、満たさなければならない算定要件の数値が緩和されてます。
主な緩和された算定要件とは、
- 認知症高齢者の割合
- 『喀痰吸引』または『経管栄養』者の割合
- ターミナルケア体制の構築
となっています。
また他のⅡ型介護医療院サービス費との違いは人員配置の要件のみとなっていますので注意してください。
では、Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅱ)の算定要件を説明していきましょう。
3.1.人員配置
他のⅡ型介護医療院サービス費との違いはこの人員配置の要件となっています。
Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅱ)の算定要件の『人員配置』は以下のようになっています。
看護職員 : 利用者 = 1 : 6
介護職員 : 利用者 = 1 : 5
Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅱ)と比べ、介護職員の人員配置割合が異なっているので注意が必要です。
これは常勤換算法で求めていき、ここで言う利用者とは短期入所療養介護の利用者も含めて計算します。
利用者定員を超えてしまうと、この加算は算定できなくなります。
してありましたが、Ⅱ型介護医療院では看護師の割合は要件に入っていません。
因みに常勤換算法については以下のページで詳しく説明してますので参考にしてみて下さい。
3.2.利用定員超過しない
どのサービス費も同じですが、Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅱ)では、都道府県知事に提出した、運営基準に定めた人員よりも超過した場合。
算定が出来なくなってしまいますので注意して下さい。
3.3.重篤な疾患を有する者及び身体合併症を有する認知症高齢者の割合
Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅱ)を算定するにあたり、入所者の疾患等に関する割合によって算定できるか左右されます。
その一つに算定日の属する月の前三月間における入所者で、
重篤な身体疾患有する者
もしくは
身体合併症を有する認知症高齢者
の占める割合が、
20%以上
いなければなりません。
ここで言う重篤な身体疾患有する者もしくは身体合併症を有する認知症高齢者とは
- 認知症高齢者の日常生活自立度のランクMに該当する者
を指し該当者を下の計算式に当てはめて数値を算出します。
計算のルールとして、
- 小数点第3位以下
- 毎日24時現在介護医療院に入所している
- 入所してその日のうちに退所または死亡した人も含める
- 月末の該当者の割合を求める
- 算定日が属する月の前3月において、平均値が基準に適合している
- 算定日が属する月の前3月において、基準を満たす利用者等の入所延べ日数がすべての利用者等の入所延べ日数に占める割合による
となっています。
3.4.喀痰吸引、経管栄養者の割合
Ⅱ型介護医療院サービス費では利用者の喀痰吸引、経管栄養者の割合を算出し、一定の数値を超えていなければなりません。
因みにⅡ型介護医療院サービス費(Ⅱ)の『喀痰吸引』『経管栄養』の割合の基準として、
全体の15%以上
占める必要があります。
『喀痰吸引』は過去1年間(入所期間が1年以上である利用者は、当該入所期間中(入所時を含む))に喀痰吸引が実施されていた利用者が対象となります。
また
口腔衛生管理加算
か
口腔衛生管理体制加算
を算定している場合も『喀痰吸引』としてみなされます。
『経管栄養』を実施している利用者とは、過去1年間(入所期間が1年以上である利用者は、当該入所期間中(入所時を含む))に経管栄養が実施されていた利用者が対象です。
『経管栄養』は経鼻経管や胃ろう、腸ろうから栄養を取っている利用者のことを指します。
また
- 経口維持加算
- 栄養マネジメント加算
を算定している利用者も『経管栄養』を実施しているとみなされます。
例えば一人の利用者で『喀痰吸引』と『経管栄養』の両方を実施している場合。
二つの処置を行っているので『喀痰吸引』と『経管栄養』を実施しているそれぞれの人数に含めます。
計算のルールとして、
- 小数点第3位以下
- 毎日24時現在介護医療院に入所している
- 入所してその日のうちに退所または死亡した人も含める
- 月末の該当者の割合を求める
- 算定日が属する月の前3月において、平均値が基準に適合している
- 算定日が属する月の前3月において、基準を満たす利用者等の入所延べ日数がすべての利用者等の入所延べ日数に占める割合による
となっています。
3.5.認知症の日常生活自立度 Ⅳ以上の割合
Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅱ)を算定するに当たり、以下の状態の認知症高齢者を一定数満たさなければなりません。
- 著しい精神症状、周辺症状
- 重篤な身体疾患
- 日常生活に支障を来すような症状、行動
- 意思疎通の困難さが頻繁に見られる
これらの認知症高齢者は主に
認知症の日常生活自立度のⅣ以上の方
に該当し、日常生活自立度Ⅳ以上の方が25%以上満たさなければなりません。
これは算定日の属する月の前三月間における数になります。
3.6.ターミナルケアを行う体制
Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅱ)ではターミナルケアを行う体制が整っている必要があります。
Ⅰ型介護医療院サービス費と違い、割合が示しだされていないのが特徴です。
ターミナルケア体制の考え方として、
- 医師が医学的知見から回復の見込みがないと診断した利用者
- 利用者等又はその家族等の同意を得て、ターミナルケアに係る計画を作成
- 医師、看護師、介護職員等が共同して、入所者等の状態又は家族の求め等に応じ随時、利用者等又はその家族への説明を行い、同意を得る。
等の必要があります。
4.Q&A
Q10.新規に開設される介護医療院について、介護医療院サービス費の算定要件における実績は、どのように取り扱うのか。A.・介護医療院における医療処置の実施割合などの実績を丁寧に把握するためには、算定要件における実績を算出するための期間を十分に設け判定することが重要である。
・そのため、新規に開設される介護医療院については、開設日が属する月を含む6ヶ月間に限り、Ⅰ型介護医療院サービス費(Ⅱ)又は(Ⅲ)若しくはⅡ型介護医療院サービス費のうち人員配置区分に適合した基本施設サービス費を算定可能とする。
・ただし、開設日が属する月を含む6ヶ月間に満たない場合において、算定要件における実績を算出するための期間を満たした上で、例えば、Ⅰ型介護医療院サービス費(Ⅰ)の算定要件を満たす場合については、届け出の規定に従い、当該基本施設サービス費の届出を行うことができる。また、当該6ヶ月間を超えて、引き続きⅠ型介護医療院サービス費(Ⅱ)又は(Ⅲ)若しくはⅡ型介護医療院サービス費のうち人員配置区分に適合した基本施設サービス費を算定する場合にあっては、改めて体制を届け出る必要がある。
・なお、ユニット型介護医療院サービス費についても同様の取扱いとする。
・また、療養病床等からの転換の場合については、転換前の実績を基に算定要件に適合するか否かを判断して差し支えない。30.3.28事務連絡 介護保険最新情報vol.633「平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)(平成30年3月28日)」の送付について
5.最後に
Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅱ)は転換老健相当の加算体型です。
ターミナルケアの割合も無く、重度疾患を持つ認知症高齢者等のパーセンテージも低い状態です。
他のⅡ型介護医療院サービス費との大きな違いは介護職員の人員配置な為、加算点数も低く設定してあります。
取得しやすい分、加算が低いという点を踏まえながら、どのサービス費を算定していくか考えていきましょう。