いつもお世話になっています!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
褥瘡ケアでは処置や栄養面でのアプローチ以外にも、環境面からのアプローチも大切となってきます。
この外的要因である環境調整の一つに『マットレスの選定』があります。
って、ことで今回は『簡単な評価で選択可能!褥瘡時のマットレスの選び方』について話したいと思います。
1.褥瘡利用者のマットレス選定に迷ってしまう
褥瘡がある利用者や、リスクがある利用者にとってマットレス選定は難しいものです。
施設や病院にあるマットレスは数や予算が限られていますし、褥瘡が出来ているからといって、すぐ
と簡単にエアーマットに交換していませんか?
しっかりと根拠を持って適切なマットレスを選定出来ているでしょうか?
こういう時に、適切なマットレスを選定できる評価があります。
その名も『OHスケール』といいます。
2.OHスケールを活用しよう!
利用者の褥瘡リスクに合わせたマットレスの選定評価方法として、『OHスケール』があります。
このOHスケールは誰でも評価が出来て主に、
- 褥瘡ケア計画・選択
- 体圧分散マットレスの選定
が行える評価となっています。
またこのOHスケールは日本褥瘡学会が発表している褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)に『推奨度C1』で記載されています。
推奨度C1というと、『根拠は限られているが、行ってもよい』とされていますが、マットレス選定には最適な評価です。
評価方法は4項目からなり、
- 自立体位変換能力 (できる・どちらでもない・できない)
- 病的骨突出(仙骨部)(なし・ 軽度、中程度・高度)
- 浮腫(なし・あり)
- 関節拘縮(なし・あり)
を0〜10点で評価していきます。
OHスケールの詳しい評価方法は、危険要因(OHスケール):堀田予防医学研究所に書かれていますので、ご覧ください。
ではOHスケールを使って、利用者の点数を付けていきましょう。
3.OH スケール点数別のマットレスの選び方
OHスケールを見ながら、利用者の点数を付けたでしょうか?
OHスケールで評価を行ったなら、次はお待ちかねのマットレス選定方法を説明します。
このOHスケールで付けた数値を基に『病院・施設』と『在宅』で以下のような分類が可能となります。
エアマットレスの分類は難しいですが、メーカーさんのホームページ等にもエアマットレスの特徴が書いてあります。
各メーカのホームページで見比べて、表に当てはめて見てください。
3.1.病院・施設
リスクランク | 適応マットレス |
軽度:1〜3点 | 暑さ8~10cm未満 静止型 |
中度:4~6点 | A(自力体位変換可能) 暑さ10cm以上 静止型 |
B(自力体位変換不能) 体重設定型エアマット | |
高度:7~10点 | コンピュータ制御圧切換自動調整型エアマット |
※体重設定型エアマットとは、体重を入力するだけでマットレス内の空気圧を調整できる電動エアマットレスを指します。
※またコンピュータ制御圧切換自動調整型エアマットは、圧力センサーを使用してマットレス内の空気圧を切り替えるエアマットレスを指します。
3.2.在宅
在宅では病院・施設と比べて、人手が足りないことを想定しています。
なので病院・施設よりも対応が異なっています。
リスクランク | 適応マットレス |
軽度:1〜3点 | 暑さ10cm以上 静止型マットレス |
体重設定タイプエアマット | |
中度:4~6点 | コンピュータ制御圧モニター調整型エアマットレス |
高度:7~10点 |
4.最後に
褥瘡に関する評価は沢山存在します。
OHスケールもその一つです。
適切な評価を行い、利用者にとって最適なマットレス選定を行ってあげることが、大切です。
褥瘡を治癒しやすい環境を整えてあげましょう。