【令和3年度】医療ニーズ対応や体制強化!看護体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)の算定要件とQ&A

看護体制強化加算 算定要件 Q&A

いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。

平成30年度の介護報酬改定では中重度の利用者に対して、手厚いケアを行うと加算される仕組みとなりました。

 

その中でも『看護体制強化加算』は在宅でのターミナル体制を整えている事を評価している加算です。

更に令和3年度の介護報酬改定で、医療ニーズのある利用者の在宅療養の環境を整えたり更なる訪問看護の機能強化を図るような仕組みとなりました。

って、ことで今回は『【令和3年度】医療ニーズ対応や体制強化!看護体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)の算定要件とQ&A』について話したいと思います。

1.看護体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)とは?

平成30年度の介護報酬改定では、地域包括ケアシステムの推進が挙がってます。

その中でも中重度の在宅要介護者への医療ニーズの対応として、ターミナル期への体制を強化することが必要となっています。

その為今回の改定では、看護体制強化加算を見直し、ターミナルケア加算の算定者数が多い事。

また緊急時訪問看護加算等の算定者割合期間を延ばし、ターミナル体制が充実している事業所を評価し体制状況によって段階分けされた加算となりました。

更に令和3年度の介護報酬改定で算定要件に特別管理加算の割合と看護職員の割合にメスが入ります。

この特別管理加算の割合を『30/100』から『20/100』に緩和。

また看護職員の割合が6割以上とセラピストが多い事業所等への是正を行う仕組みとなりました。

2.単位数

看護体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)の単位数は以下のようになっています。

看護体制強化加算は利用者ごとに(Ⅰ)か(Ⅱ)を選ぶということは出来ません。

訪問看護事業所が基準を満たした場合にどちらか一方を全利用者に算定出来ます。

 単位数
看護体制強化加算(Ⅰ) 550単位/月
看護体制強化加算(Ⅱ) 200単位/月
(介護予防)看護体制強化加算100単位/月

3.取得可能施設

看護体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)を取得出来る施設は以下の通りです。

・訪問看護(訪問看護ステーション)(病院又は診療所)

4.算定要件

看護体制強化加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の算定要件は、以下の(1)~(4)を満たす必要があります。

ただし(3)のターミナルケア加算の人数の違いで看護体制強化加算(Ⅰ)か(Ⅱ)に分けられるので、注意が必要です。

4.(1)緊急時訪問看護加算の割合

看護体制強化加算を算定するにあたり、一つ目の要件は『緊急時訪問看護加算』の取得割合を求める必要があります。

計算対象期間として、算定日が属する月の前6月間です。

緊急時訪問看護加算の計算は

 

緊急時訪問看護加算を算定した実利用者数 

÷ 

実利用者の総数×100

≧50%

 

を満たす必要があります。

また訪問看護を2回以上利用した者。

または緊急時訪問看護加算を2回以上算定した者であっても、実利用者は1として数えます。

 4.(2)特別管理加算の割合

看護体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)の算定に必要な要件二つ目は『特別管理加算』の割合です。

令和3年度の介護報酬改定で今回の要件が『30% → 20%』へ変更されました。

この特別管理加算の割合も計算対象期間は算定日が属する月の前6月間となってます。

特別管理加算の割合の求め方として、

 

特別管理加算を算定した実利用者数 

÷ 

実利用者の総数×100

≧20%

 

を満たすことが必要です。

また訪問看護を2回以上利用した者。

または特別管理加算を2回以上算定した者であっても、実利用者は1として数えます。

4.(3)ターミナルケア加算算定者人数

看護体制強化加算の算定要件で、看護体制強化加算(Ⅰ)と(Ⅱ)を判別する重要な指標がこの『ターミナルケア加算』です。

算定日が属する前十二月間にターミナルケア加算の算定人数を求めます。

ターミナルケア加算の算定者人数が、

利用者5名以上・・・看護体制強化加算(Ⅰ)

利用者1名以上・・・看護体制強化加算(Ⅱ)

となってます。

4.(4)看護職員の割合(令和5年4月1日から)

説明をする前に、この要件は令和5年4月1日から施行となっていますので注意が必要です。

看護体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)では看護職員の占める割合が決まっています。

 

訪問看護の提供に当たる従業者の総数の看護職員の占める割合

60%以上

となっています。

この看護職員の占める割合は常勤換算法で前月(暦月)の平均を用います。

 

もし割合が100分の60から1割を超えて減少した場合(100分の54を下回った場合)

下回った翌月から看護体制強化加算を算定できません。

もし1割の範囲内で減少した場合(100分の54以上100分の60未満)。

はその翌々月から算定できません。

(ただし翌月の末日で100分の60以上になった場合は除きます。

 

因みに訪問看護事業所と予防訪問看護事業所が同一の事業所で一体的に運営されている場合。

両方の従業者の合計数の看護職員の占める割合を指します。

 もし離職等でこの60%以上の要件を満たすことが出来なくなった場合。
 

看護職員の採用に関する計画』を都道府県知事に提出した場合に、画に記載された期間を経過する日までは算定可能です。

因みにこの計画の様式は定められておりません。

4.(5)説明と同意

看護体制強化加算を取得するに当たり、利用者や家族へ看護体制強化加算についての説明と同意を頂かなければなりません。

ちなみに説明者は看護師等となっています。

説明と同意は記録等に記載する必要があります。

4.(6)人材の確保・育成に寄与する取り組み

看護体制強化加算では、人材の確保や育成に寄与する取り組みを行わなければなりません。

例えば、
  • 医療機関への看護職員の出向
  • 研修派遣など

在宅療養支援能力を向上していくような仕組みを作る必要があります。

この件に関しても、記録・記載をしていた方が良いと考えられます。

4.(7)記録を欠かさない

看護体制強化加算では継続的に

(1)緊急時訪問看護加算

(2)特別管理加算

(3)ターミナルケア加算

の割合や人数を台帳等に毎月記載するようにします。

もし、基準を下回った場合は速やかに変更届を提出しなければなりません。

5.新規・変更・終了時の届け出

看護体制強化加算の届け出は以下の書式を使用します。

別紙8-2

 6.Q&A

問9 看護体制強化加算の要件として、「医療機関と連携のもと、看護職員の出向や研修派遣などの相互人材交流を通じて在宅療養支援能力の向上を支援し、地域の訪問看護人材の確保・育成に寄与する取り組みを実施していることが望ましい。」ことが示されたが、具体的にはどのような取組が含まれるのか。
(答)
当該要件の主旨は、看護体制強化加算の届出事業所においては、地域の訪問看護人材の確保・育成に寄与する取り組みが期待されるものとして示されたものであり、例えば、訪問看護ステーション及び医療機関の訪問看護事業所間において相互の研修や実習等の受入、地域の医療・介護人材育成のための取組等、地域の実情に応じた積極的な取組が含まれるものである。
 

平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)

問 10 留意事項通知における「前6月間において、当該事業所が提供する訪問看護を2回以上利用した者又は当該事業所で当該加算を2回以上算定した者であっても、1として数えること」とは、例えば、1~6月にかけて継続して利用している利用者Aは1人、1月に利用が終了した利用者Bも1人と数えるということで良いか。

(答)
貴見のとおりである。具体的には下表を参照のこと。

例)特別管理加算を算定した実利用者の割合の算出方法

【サービス提供状況】7月に看護体制強化加算を算定

 1月2月3月4月5月6月
利用者A
利用者B◎(Ⅰ)     
利用者C  (入院)(入院)◎(Ⅱ)

指定訪問看護の提供が1回以上あった月
◎特別管理加算を算定した月

【算出方法】
① 前6月間の実利用者の総数 = 3
② ①のうち特別管理加算(Ⅰ)(Ⅱ)を算定した実利用者数 = 2
→ ①に占める②の割合 = 2/3 ≧ 30% …算定要件を満たす

※ 平成27年度報酬改定Q&A(vol.1)(平成 27 年 4 月 1 日)問23は削除する。

平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)

問 11 仮に、7月に算定を開始する場合、届出の内容及び期日はどうなるのか。

(答)
・看護体制強化加算の算定にあたっては「算定日が属する月の前6月間」において特別管理加算及び緊急時訪問看護加算を算定した実利用者の割合を算出する必要がある。

・仮に、7月に算定を開始する場合は、6月15日以前に届出を提出する必要があるため、6月分は見込みとして1月・2月・3月・4月・5月・6月の6月間の割合を算出することとなる。

・なお、6月分を見込みとして届出を提出した後に、加算が算定されなくなる状況が生じた場合には、速やかにその旨を届出すること。

1月2月3月4月5月6月7月
実績で
割合を
算出す
実績で
割合を
算出す
実績で
割合を
算出す
実績で
割合を
算出す
実績で
割合を
算出す
15日以前に届出が
必要。届出日以降分
は見込みで割合を算
出する。
算定月

※ 平成27年度報酬改定Q&A(vol.1)(平成 27 年 4 月 1 日)問24は削除する。

平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)

問 12 平成30年3月時点で看護体制強化加算を届出しているが、平成30年4月以降も看護体制強化加算を算定する場合については、実利用者の割合の算出方法が変更になったことから、新たに届出が必要となるのか。

(答)
貴見のとおりである。新たな算出方法で計算したうえで改めて届出する必要がある。
なお、3月分を見込みとして届出を提出した後に、新たに加算が算定されなくなる状況が生じた場合には、速やかにその旨を届出すること。

平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)

問 13 平成30年4月から算定する場合には、平成29年10月からの実績を用いることになるのか。

(答)
貴見のとおりである。

平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)

問 14 1つの訪問看護事業所で看護体制強化加算(Ⅰ)及び(Ⅱ)を同時に届出することはできないが、例えば、加算(Ⅱ)を届出している事業所が、加算(Ⅰ)を新たに取る場合には、変更届けの提出が必要ということでよいか。

(答)
貴見のとおりである。

平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)

問 11 看護体制強化加算に係る経過措置について、令和5年4月1日以後に「看護職員の離職等」により基準に適合しなくなった場合の経過措置で、看護職員の採用に関する計画について具体的な様式は定められているのか。

(答)様式は定めていない。

令和3年度介護報酬改定Q&A(Vol.3) 

問1 看護体制強化加算に係る経過措置について、令和5年4月1日以後に「看護職員の離職等」により基準に適合しなくなった場合の経過措置が示されているが、看護職員の離職以外にどのようなものが含まれるのか。

(答)看護職員の離職以外に、看護職員の病休、産前産後休業、育児・介護休業又は母性健康管理措置としての休業を取得した場合が含まれる。

令和3年度介護報酬改定Q&A(Vol.7) 

7.参考

8.最後に

今後の在宅支援において、介護度の重度な利用者を支えることが重要課題です。

この看護体制強化加算は重度な利用者を支えることを評価する加算となっています。

令和5年4月1日より看護職員の割合が算定要件に加わることで、算定のハードルが上がります。

しっかり看護体制強化加算を取得できるように努めていきましょう。

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