いつもお世話になっています!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
介護福祉施設等の介護報酬には、褥瘡管理をする『褥瘡マネジメント加算』が存在します。
この褥瘡マネジメント加算では評価の結果によって、褥瘡ケア計画を立てたり、褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)が取得できたりします。
って、ことで今回は『詳しく説明!褥瘡マネジメント加算の評価用紙の書き方』について話したいと思います。
目次
1.褥瘡マネジメント加算とは?
そもそも褥瘡マネジメント加算とは何なんでしょうか?
褥瘡マネジメント加算とは定期的な評価を行い、褥瘡の発生を予防するよう計画的に褥瘡管理を行うことが目的としています。
褥瘡マネジメント加算は以下の施設で取得可能です。
- 介護福祉施設
- 介護保健施設
- 看護小規模多機能型居宅介護
褥瘡マネジメント加算については以下のページで詳しく書いてありますので、是非、ご覧ください。
この褥瘡マネジメント加算を取得するに当たって、褥瘡に関する評価を行わなくてはなりません。
2.評価を行う間隔
褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)(Ⅱ)では、褥瘡の発生と関連のあるリスク評価は少なくとも三月に一回実施することとなっています。
評価開始は施設入所時または利用開始時
となっており、それから三月に一回ずつ評価を繰り返していきます。
3.評価表の書き方
評価表は大きく3つの項目からなっており、
- 褥瘡の有無
- 危険因子の評価
- 褥瘡の状態の評価
を行っていきます。
特に危険因子の評価次第では、褥瘡ケア計画を作成して行かなければなりません。
褥瘡ケア計画に関しては、以下のページに詳しく書いてあるのでご覧ください。
それでは3つの項目を1つずつ説明していきます。
と、その前に評価日の説明を!
3.1.評価日
褥瘡マネジメント加算の評価日は、いつから開始するか決まっています。
評価開始は施設入所時または利用開始時
となっているので、日付は施設入所時また利用開始時としておきましょう。
もし
となった場合は、既存の入所者の評価日は、介護記録等を見直して、施設入所時における評価を行います。
3.2.褥瘡の有無
まずは褥瘡の有無です。
現在の褥瘡の有無は褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)の算定に関わってきます。
この項目では、
- 現在
- 過去
の褥瘡の有無を記載し、褥瘡が出現している部位に○をつけていきます。
また現在の褥瘡の状況は、『発生日』も記入しなくてはいけません。
3.3.危険因子の評価
危険因子の評価によって、褥瘡マネジメント加算の計画書を作成するかの有無を判断します。
この危険因子の評価の項目で「自分で行っていない」、「あり」に1つ以上該当する場合、褥瘡ケア計画を立案しなければいけません。
褥瘡マネジメント加算の計画に関してはコチラ!
では、項目ごとに説明をしていきます!
3.3.1.障害高齢者の日常生活自立度
この項目は利用者の障害高齢者の日常生活自立度、通称寝たきり度について記載していきます。
この障害高齢者の日常生活自立度は、
- 主治医意見書
- サマリー
- インテーク
- 電子カルテ等
に記載されていることがあるので、そのまま引用し統一したほうが良いと思います。
もし無いのであれば、
を参考に記載してください。
3.3.2.ADLの状況
この項目は『ADLの状況』を記載していきます。
評価は
自分で行っている
or
自分で行っていない
のどちらかを選択し、少しでもできない場合は『自分で行っていない』を選択します。
このADLの評価でいずれかの項目が
自分で行っていない
に1つ以上当てはまった場合は、褥瘡ケア計画を作成しなければなりません。
評価項目として
- 入浴
- 食事摂取(経管栄養・経静脈栄養等の場合は対象外)
- 更衣(上衣・下衣)
があります。
3.3.3.基本動作
この基本動作の項目もまた、
自分で行っている
or
自分で行っていない
を選択し、『自分で行っていない』が一つでもあると、褥瘡ケア計画を作成します。
項目として以下の4つがあります。
- 寝返り
- 座位の保持
- 座位での乗り移り
- 立位の保持
少しでも介助を行っているのであれば、『自分で行っていない』を選択します。
3.3.4.排泄の状況
排泄の状況は
なし
or
あり
で評価を行い、『あり』が一つでもあれば、褥瘡ケア計画の作成をします。
- 尿失禁(対象外:バルーンカテーテル等を使用した場合)
- 便失禁(対象外:人工肛門等の場合)
- バルーンカテーテルの使用
因みに上記に書いたように対象外もあるので、注意が必要です。
3.3.5.過去3か月以内に褥瘡の既往があるか
この項目では過去3カ月以内に褥瘡既往の有無を確認していきます。
ここも
あり
or
なし
で選択していき、『あり』にチェックが入った場合は褥瘡ケア計画を作成していきます。
3.4.褥瘡の状態の評価
この項目では褥瘡の状態の評価を記載していきます。
評価の詳細は日本褥瘡学会さんの
改定DESIGN-RR2020コンセンサス・ドキュメント(一般社団法人 日本褥瘡学会)
に書いてありますので、参照して頂ければいいと思いますが、
褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)の判断基準に必要な『深さ(d1以上)』について説明します。
この持続する発赤の評価方法として2通りあります。
- 指押し法
方法:発赤のある部分を指で3秒ほど押して評価します。
- ガラス板圧診法
方法:透明プラスチックを発赤部に当て、3秒ほど押す。
どちらも判定基準として、
- 白く消退しない場合・・・『褥瘡』
- 白くなる場合・・・『褥瘡ではない』
と判断します。
4.最後に
褥瘡マネジメント加算の評価用紙の記載方法を一通り説明しました。
大抵の利用者は評価結果が、『自分で行っていない』か『あり』に当てはまり、褥瘡ケア計画を作成する方向になると思います。
適切な評価を行い、スムーズな書類作成が出来るようにしていきましょう。