口からの摂取を評価!経口移行加算の算定要件とQ&A

経口移行加算 算定要件 Q&A

いつもお世話になっています!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。

介護保険には様々な加算があり、その中には食事に関する加算も数多く存在し『経口移行加算』もその中の一つです。

ってことで、今回は『口からの摂取を評価!経口移行加算の算定要件とQ&A』について話したいと思います。

▼目次▼

1.経口移行加算とは?

経口移行加算とはどのような加算なのでしょうか?

経口移行加算は医師の指示に基づいて、多職種共同で経管栄養の者を経口摂取する為の計画書を作成、支援を行う加算です。

起算日は経口移行計画が作成されて、本人又は家族の同意を得た日から180日以内算定可能です。

また医師の指示で継続して経口摂取で栄養管理及び支援が必要とされる場合は、引き続き180日を超えでも加算を算定できるようになってます。

経口移行加算を取得する為の大前提が栄養マネジメント加算を取得していなければ算定できないので、注意が必要です。

2.取得可能施設

経口移行加算を取得できる施設は以下のようになっています。

  • 介護福祉施設
  • 介護保健施設
  • 介護療養施設
  • 介護医療院

主に医師を配置してある施設が対象になっているようです。

3.単位数

経口移行加算の単位数は以下のようになっています。

単位数
経口移行加算 28単位

取得可能な施設が様々ありますが、単位数は28単位と統一されています。

4.算定要件

経口移行加算を取得するにあたり、以下の算定要件をクリアすることが大切です。

4.1.現在、経管栄養の利用者

まず対象となる利用者ですが、経口移行加算を開始する時点で経管栄養にて食事を摂取されている方ということです。

この対象者が医師の指示

経口からの食事摂取を進める為の栄養管理と支援が必要

と判断された利用者のみが加算取得の前提となります。

4.2.経口移行計画の作成

経口移行加算 経口移行計画書
経口移行加算を取得するにあたって経口から食事摂取を進める為、栄養管理方法や支援等を記した経口移行計画を作成する必要があります。

経口移行計画に関する計画書の様式は以下の別紙3にあります。

別紙3(栄養マネジメント加算及び経口移行加算等に関する事務処理手順例及び様式例の提示について)

 

この経口移行計画を以下の職種で連携し作成をしなければなりません。

  • 医師
  • 歯科医師
  • 管理栄養士
  • 看護師

  • 言語聴覚士
  • 介護支援専門員
  • その他

 

 

経口移行計画を作成し実施する場合は対象の利用者か家族に計画の内容を説明し、その同意を得なければなりません。

同意は別紙3の下部に『同意者のサイン』欄があるので、そちらにサインをしてもらえばいいと思います。

このサインを貰ってから起算され、原則180日以内を限度に算定は可能です。

 

この経口移行計画の内容に沿って管理栄養士等が行う栄養管理と言語聴覚士や看護師が行う支援を行っていく必要があります。

 

4.3.介護福祉施設の場合は・・・

経口移行加算を取得するには経口移行計画を作成しますが、例外があります。

それは『介護福祉施設サービス』の場合です。

介護福祉施設サービスは『褥瘡ケア計画書』や『排せつ支援計画書』などと同じように、経口移行計画に相当する内容を施設サービス計画に書いてあれば施設サービス計画が経口移行計画の代わりになります。

4.4.経口移行加算の期限を過ぎても

経口移行計画に対象の利用者または家族にサインを頂き、栄養管理方法や支援等を行って180日を過ぎた時。

経口摂取が一部可能で、まだ栄養管理や支援等が必要と判断される場合は、医師の指示によって180日を超えても経口移行加算の算定が可能となっています。

 

ただし、継続して算定する場合は医師からの指示をおおむね2週間ごとに受ける必要があります。

この医師の指示に関しては特に記載はされていませんが、診療録などに指示の内容を記入していたほうがいいのかもしれません。

4.5.実施前の状態確認

経口摂取を始める前に、対象の利用者が経口にて食事を摂取しても大丈夫かの状態確認を行わなければなりません。

もし状態を把握せずに食事を経口摂取していると誤嚥性肺炎や最悪の場合、窒息を起こす危険性があるので、しっかりと状態確認を行いましょう。

 

経口移行加算前の状態確認の方法として、以下の内容を行う必要があります。

①全身状態の確認

まず最初に気をつけることとして血圧呼吸体温が安定していることが大切です。

またほとんどの利用者が疾患を持っているので、その原疾患の病態が安定している事も重要な要素の1つです。

②覚醒状態

覚醒状態が悪い状態で経口摂取にて食事を行えば、誤嚥のリスクが格段に高まります。

なので刺激しなくても覚醒していられるかを確認することが必要です。

③嚥下反射

スムーズな嚥下反射は食物を体内に取り込む最も重要な要素です。

唾液嚥下や口腔、咽頭への刺激で喉頭拳上などの嚥下反射を確認するようにしましょう。

④吸引後の『ムセ』

咽頭内容物を吸引した後に唾液を飲み込んでも『ムセ』がないかを確認する必要があります。

4.6.歯科医師への情報提供

経口移行加算で経口摂取を行うにあたり、様々な問題が生じてきます。

その際に義歯や口腔内の問題等の障害で経口摂取が出来ないこともあると思います。

このような歯科医療の対応を要する場合、必要に応じ、介護支援専門員を通じて主治の歯科医師に情報提供を得るなどの対応が可能です。

5.算定不可要件

経口移行加算を180日間算定したが、経口摂取が出来なかった場合。

日にちをあけて再び経口摂取で食事を取れるように経口移行加算を取得を目指すことは出来ません。

経口移行加算は、対象の利用者か家族の同意後180日以内か、180日以降に引き続き医師の指示がある二通りしかありません。

 

また低栄養リスク改善加算を算定している場合も算定できません。

6.Q&A

 

問 71 栄養マネジメント加算、経口移行加算、経口維持加算、低栄養リスク改善加算の算定にあたって歯科医師の関与や配置は必要か。

(答)多職種共同で計画を立案する必要があるが、歯科医師の関与及び配置は必須ではなく、必要に応じて行うものである。

※ 平成 21 年度報酬改定 Q&A(vol.2)(平成 21 年4月 17 日) 共通事項の問5は削除する。

平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)

 

問74 経口移行加算の算定に当たっては、管理栄養士の配置は必須なのか。

(答)栄養マネジメント加算(常勤の管理栄養士1名以上の配置が要件)を算定していない場合は、算定しない。

17.9.7全国介護保険指定基準・監査担当者会議資料 平成17年10月改定関係 Q&A

 

問75. 経口移行加算について、180日の起算はどこからなのか。

(答)1 経口移行加算については、経口移行計画を作成し、入所者又はその家族に説明し、その同意を得た日から算定するものとする。
2.なお、計画作成日が9月30日以前の場合、180日間の期間の算定は、当該加算に係る法令の施行が10月1日であることから、10月1日から起算することとする。
3.  また、当該加算について、平成17年10月1日時点における既入所者については、平成17年10月分に限り、平成17年10月中に同意がとれていれば、平成17年10月1日に遡り算定できることとする。

17.9.7 全国介護保険指定基準・監査担当者会議資料 平成17年10月改定関係Q&A

問7. 経口移行加算 (経管から経口への移行を評価する場合)経口移行加算について180日時点で経口摂取が一切認められない場合、算定不可となるのか。

(答)御指摘のとおりであるが、経口による食事の摂取を進めるための栄養管理が必要として医師の指示を受けた者に対して行うこととするため、経口移行がこれ以上進まないと医師が判断した方についても算定することはできない。

17.9.7全国介護保険指定基準・監査担当者会議資料 平成17年10月改定関係Q&A

 

問77. 経口移行加算について、180日算定後、経口摂取に移行できなかった場合に、期間をあけて再度経口摂取に移行するための栄養管理を実施する場合には、再度180日を限度として加算を算定可能か。それとも、当該加算は入所者一人につき一度しか算定できないのか。

(答)入所者一人につき、一入所一度のみの算定となる。

17.9.7全国介護保険指定基準・監査担当者会議資料 平成17年10月改定関係 Q&A

 

問78. 経口移行加算について、すべて経口に移行して、順調に食べ続けていても算定は可能か。

(答)経口移行加算の算定期間は、経口からの食事が可能となり経管栄養を終了した日までの期間とする。

17.9.7全国介護保険指定基準・監査担当者会議資料  平成17年10月改定関係 Q&A

 

問79. 経口移行加算について、身体状態の変化により経口と経管摂取を繰り返すケースでは、毎回加算は算定可能なのか。

(答)1.経口移行加算の算定期間は、経口からの食事の摂取が可能となり経管栄養を終了した日までの期間とするがその期間は入所者又はその家族の同意を得た日から起算して180日以内の期間に限る。
2.180日間にわたり算定した後、疾病等により、経口による食事の摂取に移行するための栄養管理を中断しなければならなかった場合でも、病状が改善し、引き続き経口による食事の摂取を進めるための栄養管理が必要と医師が判断する場合には算定可能とする。

17.9.7全国介護保険指定基準・監査担当者会議資料 平成17年10月改定関係 Q&A

 

問80. 経口移行加算について、180日以降も一部経口摂取可能であり継続して栄養管理が必要な者は引き続き算定可能とあるが、その場合は無期限に算定可能なのか。

(答)経口移行が進むと医師が判断する期間中は算定可能である。

17.9.7 全国介護保険指定基準・監査担当者会議資料 平成17年10月改定関係 Q&A

 

問81.糖尿病患者で経管栄養をしている者に経口移行のための栄養管理を行った場合、経口移行加算と療養食加算の両方が算定可能か。

(答)算定可能である。

17.9.7全国介護保険指定基準・監査担当者会議資料 平成17年10月改定関係 Q&A ※平成27年改定

 

問16. 経管栄養について提供されている濃厚流動食が薬価収載されている場合には、特別食加算及び基本食事サービス費は算定できなかったが、今回新たに設けられた栄養管理体制加算、栄養マネジメント加算、経口移行加算は算定できるか。

(答)それぞれの要件を満たすのであれば算定できる。

17.10.27 介護制度改革informationvol.37 平成17年10月改定Q&A(追補版)等について

 

問19. 経口移行加算を適用する場合の医師の指示について、利用者の主治医及び施設の配置医師のいずれでもかまわないと考えてよいか。

(答)配置医師による判断を原則とし、必要に応じてケアカンファレンス等を通じ、主治医より情報提供を受けるなどの対応をされたい。

17.10.27 介護制度改革information vol.37 平成17年10月改定Q&A(追補版)等について

 

問121. 言語聴覚士又は看護職員による支援とは何か。

(答)入所者等の誤嚥を防止しつつ、経口による食事の摂取を進めるための食物形態、摂取方法等における特別な配慮のことをいう。

27.4.1 事務連絡 介護保険最新情報vol.454「平成27年度介護報酬改定に関するQ&A(平成27年4月1日)」の送付について

 

問85. 介護療養型医療施設における摂食機能療法(月4回)と、経口移行加算の同時請求は可能か。

(答)可能である。

17.9.7全国介護保険指定基準・監査担当者会議資料 平成17年10月改定関係 Q&A

 

問3.他科受診時の加算算定 (介護療養型医療施設)他科受診時の費用を算定した日については、どの加算が算定できるのか。

(答)他科受診時の費用を算定した日については、栄養マネジメント加算、経口移行加算、経口維持加算及び療養食加算は算定できる。

21.4.17 介護保険最新情報vol.79 平成21年4月改定関係Q&A(vol.2)

 

問5.栄養マネジメント加算、経口移行加算、経口維持加算において、共同して取り組む職種として歯科医師が追加されたが、当該加算の算定にあたって歯科医師の関与や配置は必要か。

(答)多職種共同で計画を立案する必要があるが、歯科医師の関与及び配置は必須ではなく、必要に応じて行うものである。

21.4.17 介護保険最新情報vol.79 平成21年4月改定関係 Q&A(vol.2)

 

7.参考

8.最後に

経口移行加算は食事を経口から行うことを評価する加算です。

経口摂取はリスクがあり慎重に行う必要がありますが、利用者のQOLを向上させる為には必要な加算ですので、対象の利用者がいる場合は、積極的に取得していきましょう。