介護老人福祉施設、介護老人保健施設で取得 褥瘡マネジメント加算の算定要件とQ&Aを詳しく解説

機能訓練指導員 褥瘡

いつもお世話になっています!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。

平成30年度の介護報酬改定より様々な新規加算が算定できるようになり、その1つ褥瘡に関する加算も追加となりました。

って事で今回は『介護老人福祉施設、介護老人保健施設で取得 褥瘡マネジメント加算の算定要件とQ&Aを詳しく解説』について話したいと思います。

▼目次▼

1.褥瘡マネジメント加算とは

平成30年度の介護報酬改定より新規に創設された加算として、『褥瘡マネジメント加算』があります。

褥瘡マネジメント加算は定期的な評価を行い、褥瘡の発生を予防するように計画的に褥瘡管理することを目的とした加算です。

単位数
褥瘡マネジメント加算 10単位/月

褥瘡マネジメント加算は毎月算定は出来ず、3月に1回だけ算定が可能だという事に注意してください。

また褥瘡マネジメント加算を取得している場合は、低栄養リスク改善加算は算定できません。

 

褥瘡マネジメント加算は以下の施設で加算が取得できます。

  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • 介護福祉施設サービス
  • 介護保健施設サービス

 

2.算定要件

算定要件として以下の内容を満たしていることが必要となります。

イ.入所者ごとに褥瘡の発生と関連のあるリスクについて、施設入所時に評価するとともに、少なくとも三月に一回、評価を行い、その評価結果を厚生労働省に報告すること

ロ.イ.の評価の結果、褥瘡が発生するリスクがあるとされた入所者ごとに、医師、看護師、介護職員、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、褥瘡管理に関する褥瘡ケア計画を作成していること。

ハ.入所者ごとの褥瘡ケア計画に従い褥瘡管理を実施するとともに、その管理の内容や入所者の状態について定期的に記録していること。

ニ.イ.の評価に基づき、少なくとも三月に一回、入所者ごとに褥瘡ケア計画を見直していること。

引用:指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(第158回社会保障審議会介護給付費分科会資料)

 

3.褥瘡の発生と関連のあるリスクの評価

褥瘡マネジメント加算 評価
褥瘡の発生と関連のあるリスク評価は少なくとも三月に一回実施する必要があります。

 

評価表は下記厚労省のPDFファイルに別紙として掲載されています。

褥瘡の発生と関連のあるリスク:別紙様式4

 

また評価表と褥瘡ケア計画書が一緒になっている評価表もあります。

褥瘡対策に関するケア計画書:別紙様式5

 

対象者は別紙様式4の①~⑧の項目が『自分で行っていない』か、⑨~⑪の項目に『あり』、⑫は『はい』にチェックが付いた場合は『リスクあり』と判断され、評価対象となります。

評価表を見てみましたが、老健や特養の利用者は生活動作が一部介助の方が多いので、相当な方でない限りほぼ全員算定対象になると考えられます。

 

⑫の項目の医師・看護師の診断によって評価されますので注意してください。

4.評価結果の報告方法

この褥瘡マネジメント加算は褥瘡の発生と関連のあるリスク評価の結果を厚労省に報告しないと算定要件は満たされません。

ただどのように報告をするのか。

その報告方法として以下の文言が記載されています。

5の(34)④評価結果の厚生労働省への報告は、当該評価結果を、介護給付費請求書等の記載要領に従って、褥瘡マネジメント加算の介護給付費明細書の給付費明細欄の摘要欄に記載することによって行うこと。

引用:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の判定に伴う実施上の留意事項について(抄)より抜粋

とされています。

 

また報告する評価結果は

  • 施設入所時:入所後最初の評価表
  • それ以外 :加算算定月の評価表

としてありますので、間違わない様にしなければなりません。

5.他職種共同で褥瘡ケア計画書の作成

褥瘡マネジメント加算 計画書
褥瘡の発生と関連のあるリスク評価で『リスクあり』と判断された利用者には、褥瘡ケア計画書を作成し管理していく必要があります。

褥瘡対策に関するケア計画書:別紙様式5

介護福祉施設の場合、褥瘡ケア計画書は施設サービス計画書で代用が可能です。

また施設で以前から使用していた褥瘡ケア計画書がある場合は、ひな形同様の内容が判断できる項目が網羅されていれば、その様式を代用することができます。

 

褥瘡ケア計画書は以下のガイドラインを参考にしながら作成するのを推奨されています。

日本褥瘡学会:褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)

日本皮膚科学会:褥瘡診療ガイドライン

 

褥瘡ケア計画書は他職種共同でを作成しなければなりませんので、褥瘡予防委員会やNSTなどの会議で話し合った旨を記録に残しておく必要があります。

 

この褥瘡ケア計画書には利用者又はご家族の同意が必要で、褥瘡ケア計画書の中にサイン欄がありサインを頂くようになっています。

また少なくとも3か月に1回は褥瘡ケア計画書を見直し、計画書の内容に変更があるなら直ぐに見直す必要があります。

6.褥瘡管理の記録が大事

褥瘡ケア計画書を作成したなら、褥瘡計画に沿った内容と褥瘡の経過を記録をする必要があります。

褥瘡計画の内容に沿っていれば、別個に記録を作成するのではなく日頃のケース記録で構わないと思います。

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7.褥瘡マニュアルの整備も重要

褥瘡マネジメント加算を取得するにあたり、施設内の褥瘡マニュアルを整備しそれに沿った内容を行うことが大事です。

加算取得前に施設内の褥瘡マニュアルを再度見直し、訂正を加える必要があります。

褥瘡マニュアルを作成する際は褥瘡ガイドラインなどを参考にしたらいいと思います。

8.Q&A

問86 褥瘡ケア計画を作成する際に参考にする、褥瘡管理に対するガイドラインに、以下のものは含まれるか。

  • 褥瘡 予防・管理ガイドライン(平成27年 日本褥瘡学会)
  • 褥瘡診療ガイドライン(平成29年 日本皮膚科学会)

(答)いずれも含まれる

引用: 平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)

問 14 「褥瘡対策に関するケア計画書」と「排せつ支援計画書」に関して、厚生労働省が示した様式通りに記載する必要があるか。

(答)「老企第 40 号平成 12 年 3 月 8 日厚生省老人保健福祉局企画課長通知」に記載の通り、厚生労働省が示した「褥瘡対策に関するケア計画書」、「排せつ支援計画書」はひな形であり、これまで施設で使用してきた施設サービス計画書等の様式にひな形同様の内容が判断できる項目が網羅されていれば、その様式を代用することができる。

引用: 平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)

9.詳細内容

ここまで褥瘡マネジメント加算について一通り書いてきましたが、以下の厚労省のサイトに詳細は記載されています。

10.最後に

褥瘡マネジメント加算は1人あたり40単位/年とそこまで大きくない加算です。

しかし褥瘡管理は重度化防止のために重要な要素であり、廃用やフレイルなどの虚弱高齢者、疾病を生み出す原因にもなりかねません。

小さな加算ですが褥瘡マネジメント加算を取得できるような環境整備を行い、より良い生活の質を保てるように努めていきましょう。