【令和3年度】褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)の算定要件とQ&Aを詳しく解説

機能訓練指導員 褥瘡

いつもお世話になっています!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。

平成30年度の介護報酬改定より様々な新規加算が算定できるようになり、その1つ褥瘡に関する加算も追加となりました。

また令和3年度の介護報酬改定で更に細分化され、褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)・褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)・褥瘡マネジメント加算(Ⅲ)に分けられる形となっています。

って事で今回は『【令和3年度】褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)の算定要件とQ&Aを詳しく解説』について話したいと思います。    

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1.褥瘡マネジメント加算とは

平成30年度の介護報酬改定より新しく創設された加算として、『褥瘡マネジメント加算』があります。

褥瘡マネジメント加算は定期的な評価を行い、褥瘡の発生を予防するように計画的に褥瘡管理することを目的とした加算となっています

令和3年度の介護報酬で、要件によって褥瘡マネジメント加算も3つに分けられる形となりました。

 単位数
褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)3単位/月
褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)13単位/月
褥瘡マネジメント加算(Ⅲ)※10単位/月(3月に1回算定可能)

令和4年3月31日まで算定可能

また平成30年度の介護報酬改定では、3月に1回のみの算定だったのが、1月に1回算定可能となっています。

ちなみに『褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)』『褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)』『褥瘡マネジメント加算(Ⅲ)』を同時算定することはできませんので、注意が必要です。

2.算定可能施設サービス

褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)は以下の施設で加算が取得できます。

令和3年度の介護報酬改定で『看護小規模多機能型』でも算定可能となりました。

  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • 介護福祉施設サービス
  • 介護保健施設サービス
  • 看護小規模多機能型

3.算定要件&留意事項

褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)では、褥瘡管理の要因分析として

  • 褥瘡ケア計画の作成(Plan)
  • 褥瘡ケア計画に基づく褥瘡管理の実施(Do)
  • 実施内容の評価(Check)
  • 結果を踏まえた褥瘡ケア計画の見直し(Action)

といったPDCAサイクルを行い、継続的に褥瘡管理の質の管理を行っていかなければなりません。

では、以下に褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のそれぞれの算定要件と留意事項を書いていきます。

3.1.褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)

3.1.1.対象者は?

褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)では、原則として入所者全員に算定可能となっています。

ただし褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)、(Ⅲ)を算定する場合は同時算定が出来ないので注意が必要です。

3.1.2.3月に1回の評価

褥瘡マネジメント加算 評価
褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)では、褥瘡の発生と関連のあるリスク評価は少なくとも三月に一回実施する必要があります。

評価開始施設入所時または利用開始時

となっており、それから三月に一回ずつ評価を繰り返していきます。

都道府県知事に届け出た日の属する月とそれ以降に入所した新規入所者は施設入所時に評価を行います。

また届出の日の属する月の前月に既に入所している利用者は、介護記録等を見直して、施設入所時における評価を行います。

評価表と褥瘡ケア計画書は下記厚労省のPDFファイルに別紙として掲載されています。

別紙様式5(褥瘡対策に関するスクリーニング・ケア計画書)

また評価の詳細は以下のページでも紹介しています。

3.1.3.評価結果をLIFEに報告

褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)は褥瘡の発生と関連のあるリスク評価の結果を厚労省に報告しないと算定要件は満たされません。

ただどのように報告をするのか。

その報告方法としてLIFEの活用が示されています。

LIFEへの提出情報や提出頻度等は『科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について』をご覧ください。

3.1.4.多職種共同で褥瘡ケア計画書の作成

褥瘡マネジメント加算 計画書
褥瘡の発生と関連のあるリスク評価でリスクあり』と判断された利用者がいた場合。

利用者ごとに多職種共同で褥瘡ケア計画書を作成し管理していく必要があります。

別紙様式5(褥瘡対策に関するスクリーニング・ケア計画書)

多職種とは

  • 医師
  • 看護職員
  • 介護職員
  • 栄養士
  • 介護支援専門員
  • その他の職種

となっています。

また多職種共同の場として計画書だけでなく、NST・褥瘡予防委員会などで話し合った旨を、記録に残していてもいいかもしれません。

この褥瘡ケア計画書は施設・居宅サービス計画書で代用が可能です。

施設・居宅サービス計画書で代用する場合は、下線や枠で囲む対応が必要となっています。

褥瘡ケア計画書は以下のガイドラインを参考にしながら作成するのを推奨されています。

日本褥瘡学会:褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)

日本皮膚科学会:褥瘡診療ガイドライン

また少なくとも3か月に1回は褥瘡ケア計画書を見直し、計画書の内容に変更があるなら直ぐに見直す必要があります。

褥瘡ケア計画書の書き方については、以下のページで詳しく書いてあるので、参考にしてください。

また多職種共同については個別機能訓練のことについて書いてありますが、以下のページが参考になると思います。

3.1.5.褥瘡ケア計画書には説明し同意が必要

この褥瘡ケア計画書には利用者又はご家族に説明し、同意が必要です。

3.1.6.褥瘡管理の記録が大事

褥瘡ケア計画書を作成したなら、褥瘡計画に沿った褥瘡管理と褥瘡の経過を定期的に記録をする必要があります。

褥瘡計画の内容に沿っていれば、別個に記録を作成するのではなく日頃のケース記録で構わないと思います。

3.2.褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)

褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)では

上記の褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)の要件 

入所時に別紙様式5(褥瘡対策に関するスクリーニング・ケア計画書)で『褥瘡リスクがある』と判断された入所者。

で、施設入所日の属する月の翌月以降に再度評価し、別紙様式5に示す持続する発赤(d1)以上の褥瘡の発症がない。

の要件を満たす必要があります。

ただし褥瘡発生して入所した場合。

褥瘡治癒後に褥瘡の発生が無いと判断された時に算定可能となります。

持続する発赤の評価に関しては以下のページに記載していますので、ご覧ください。

3.3.褥瘡マネジメント加算(Ⅲ)

褥瘡マネジメント加算(Ⅲ)は令和3年度以前に算定可能だった『褥瘡マネジメント加算』のままで、届出変更を行っていない場合。

経過措置として従前の内容で算定できる体制となっています。

この褥瘡マネジメント加算(Ⅲ)は令和4年3月31日まで算定可能なので、早めの変更を行っておきましょう。

4.褥瘡マニュアルの整備も重要

褥瘡マネジメント加算を取得するにあたり、施設内の褥瘡マニュアルを整備しそれに沿った内容を行うことが大事です。

加算取得前に施設内の褥瘡マニュアルを再度見直し、訂正を加える必要があります。

褥瘡マニュアルを作成する際は褥瘡ガイドラインなどを参考にしたらいいと思います。

日本褥瘡学会:褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)

日本皮膚科学会:褥瘡診療ガイドライン

5.Q&A

問86 褥瘡ケア計画を作成する際に参考にする、褥瘡管理に対するガイドラインに、以下のものは含まれるか。

  • 褥瘡 予防・管理ガイドライン(平成27年 日本褥瘡学会)
  • 褥瘡診療ガイドライン(平成29年 日本皮膚科学会)

(答)いずれも含まれる

平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)

問 14 「褥瘡対策に関するケア計画書」と「排せつ支援計画書」に関して、厚生労働省が示した様式通りに記載する必要があるか。

(答)「老企第 40 号平成 12 年 3 月 8 日厚生省老人保健福祉局企画課長通知」に記載の通り、厚生労働省が示した「褥瘡対策に関するケア計画書」、「排せつ支援計画書」はひな形であり、これまで施設で使用してきた施設サービス計画書等の様式にひな形同様の内容が判断できる項目が網羅されていれば、その様式を代用することができる。

平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)

問16.要件として定められた情報を「やむを得ない場合を除き、すべて提出すること」とされていれるが、「やむを得ない場合」とはどのような場合か。

(答)・やむを得ない場合とは、例えば、通所サービスの利用者について、情報を提出すべき月において、当該月の中旬に評価を行う予定であったが、緊急で月初に入院することとなり、当該利用者について情報の提出ができなかった場合や、データを入力したにも関わらず、システムトラブル等により提出ができなかった場合等、利用者単位で情報の提出ができなかった場合がある。
・また、提出する情報についても、例えば、全身状態が急速に悪化した入所者について、必須項目である体重等が測定できず、一部の情報しか提出できなかった場合等であっても、事業所・施設の利用者又は入所者全員に当該加算を算定することは可能である。
・ただし、情報の提出が困難であった理由について、介護記録等に明記しておく必要がある。

3.3.26事務連絡 介護保険最新情報vol.952「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.3)(令和3年3月26日)」の送付について

問17.LIFEに提出する情報に、利用者の氏名や介護保険被保険者番号等の個人情報が含まれるが、情報の提出に当たって、利用者の同意は必要か。

(答)LIFEの利用者登録の際に、氏名や介護保険被保険者番号等の個人情報を入力いただくが、LIFEのシステムにはその一部を匿名化した情報が送られるため、個人情報を収集するものではない。そのため、加算の算定に係る同意は必要ではあるものの、情報の提出自体については、利用者の同意は必要ない。

3.3.26事務連絡 介護保険最新情報vol.952「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.3)(令和3年3月26日)」の送付について

問18.加算を算定しようと考えているが、例えば入所者のうち1人だけでも加算の算定に係る同意が取れない場合には算定できないのか。

(答)加算の算定に係る同意が得られない利用者又は入所者がいる場合であっても、当該者を含む原則全ての利用者又は入所者に係る情報を提出すれば、加算の算定に係る同意が得られた利用者又は入所者について算定が可能である。

3.3.26事務連絡 介護保険最新情報vol.952「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.3)(令和3年3月26日)」の送付について

問4.LIFEに提出すべき情報は「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考
え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和3年3月16日老老発0316第4号)の各加算の様式例において示されているが、利用者又は入所者の評価等に当たっては、当該様式例を必ず用いる必要があるのか。

(答)・ 「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和3年3月16日老老発0316第4号)においてお示しをしているとおり、評価等が算定要件において求められるものについては、それぞれの加算で求められる項目(様式で定められた項目)についての評価等が必要である。
・ ただし、同通知はあくまでもLIFEへの提出項目をお示ししたものであり、利用者又は入所者の評価等において各加算における様式と同一のものを用いることを求めるものではない。

3.4.9事務連絡 介護保険最新情報vol.965「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.5)(令和3年4月9日)」の送付について

問2.サービス利用中に入院等の事由により、一定期間サービス利用がなかった場合について、加算の要件である情報提出の取扱い如何。

・ これらの加算については、算定要件として、サービスの利用を開始した日の属する月や、サービスの提供を終了する日の属する月の翌月 10 日までに、LIFEへの情報提出を行っていただくこととしている。

・ 当該サービスの再開や当該施設への再入所を前提とした、短期間の入院等による30日未満のサービス利用の中断については、当該中断の後、当該サービスの利用を再開した場合は、加算の算定要件であるサービス利用終了時やサービス利用開始時の情報提出は必要ないものとして差し支えない。

・ 一方、長期間の入院等により、30日以上、当該サービスの利用がない場合は、加算の算定要件であるサービス利用終了時の情報提出が必要であるとともに、その後、当該サービスの利用を再開した場合は、加算の算定要件であるサービス利用開始時の情報提出が必要となる。

※ サービス利用開始時に情報提出が必要な加算:科学的介護推進体制加算、自立支援促進加算、褥瘡マネジメント加算、排せつ支援加算

※ サービス利用終了時に情報提出が必要な加算:科学的介護推進体制加算

3.6.9事務連絡 介護保険最新情報vol.991「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.10)(令和3年6月9日)」の送付について

問99.褥瘡マネジメント加算、褥瘡対策指導管理は、褥瘡が発生するリスクがあるとされた入所者ごとに、医師、看護師、管理栄養士、介護職員、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、褥瘡管理に関する褥瘡ケア計画を作成していることが要件となっているが、医師の事由等により参加できない場合は、当該医師の指示を受けた創傷管理関連の研修を修了した看護師や皮膚・排泄ケア認定看護師が参加することにして差し支えないか。

(答)差し支えない。

3.3.26事務連絡 介護保険最新情報vol.952「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.3)(令和3年3月26日)」の送付について

問104.褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)について、施設入所後に褥瘡が発生し、治癒後に再発がなければ、加算の算定は可能か。

(答)褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)は、施設入所時に褥瘡の発生するリスクがあった入所者について、褥瘡の発生がない場合に算定可能である。施設入所時に褥瘡の発生するリスクがあった入所者について、入所後に褥瘡が発生した場合はその期間褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)を算定できず、褥瘡の治癒後に再発がない場合は褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)を算定できる。

3.3.26事務連絡 介護保険最新情報vol.952「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.3)(令和3年3月26日)」の送付について

6.詳細内容

ここまで褥瘡マネジメント加算について一通り書いてきましたが、以下の厚労省のサイトに詳細は記載されています。

7.最後に

褥瘡マネジメント加算は1人あたり単位はそこまで大きくない加算です。

しかし褥瘡管理は重度化防止のために重要な要素であり、廃用やフレイルなどの虚弱高齢者、疾病を生み出す原因にもなりかねません。

小さな加算ですが褥瘡マネジメント加算を取得できるような環境整備を行い、より良い生活の質を保てるように努めていきましょう。

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