退院時共同指導で!介護保険の退院時共同指導加算の算定要件とQ&A

生活機能向上連携加算 特養 退院時共同指導加算

いつもお世話になっています!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。

介護報酬では様々な加算がありますが、その一つに『退院時共同指導加算』というのがあります。

この退院時共同指導加算、病院や施設を退院する場合に職員と共同して在宅療養に必要な指導を行った場合に算定できる加算です。

って、ことで今回は『退院時共同指導で!介護保険の退院時共同指導加算の算定要件とQ&A』について話したいと思います。

1.退院時共同指導加算とは?

退院時共同指導加算とは一体どのような加算なのでしょうか?

この退院時共同指導加算。

病院や介護老人保健施設に入院中または入所中の利用者が退院または退所時にサービス提供する看護師等と退院時共同指導を行った場合。

その際に算定可能となる加算です。

2.算定可能施設

退院時共同指導加算を算定できる施設形態は以下のようになっています。

  • 訪問看護
  • 介護予防訪問看護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護費※1.
  • 複合型サービス※2.

 

※1.一体型定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所であって訪問看護サービスが必要な者のみ算定可能

※2.看護小規模多機能型居宅介護費を算定する場合のみ可能

3.取得単位数

退院時共同指導加算の単位数は以下のようになっています。

 単位数
退院時共同指導加算600単位/回

4.算定要件

退院時共同指導加算の算定要件は以下のようになっています。

4.1.対象者

退院時共同指導加算を算定できる対象者は決まっていて、

病院・診療所に入院中

または

介護老人保健施設に入所中

の利用者が退院・退所する際に算定可能です。

4.2.算定居宅サービスの看護師等が介入

退院時共同指導加算を算定する際に退院時共同指導を行う居宅サービスの職員は

看護師等(准看護師を除く)

となっています。

4.3.退院時共同指導とは

退院時共同指導加算を算定する時に必要な退院時共同指導とは一体どういうものなのでしょうか?

退院時共同指導とは

算定しようとしている利用者または看護にあたっている者に対して、病院・診療所または介護老人保健施設の主治医その他の職員と共同して、在宅療養上必要な指導を行います。
 

この退院時共同指導は利用者又は看護にあたっている者の同意が得られれば、テレビ電話等の活用も可能となっています。

テレビ電話等を使用した際は、

医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス

医療情報システムの安全管理に関するガイドライン

を遵守して行ってください。

また退院時共同指導を行った場合はその内容を文章によって提供することと訪問看護記録に書き込む事が必要です。

 

4.4.1.初回のサービス利用時に算定可能

退院時共同指導加算は対象利用者が退院・退所後に初回の訪問看護等のサービスを行った場合に算定できます。

この退院時共同指導加算は退院または退所につき1回に限り算定可能です。

ただし、特別な管理を必要とする利用者に関しては2回まで算定可能となっています。

退院時共同指導加算は当月に退院時共同指導を行った場合だけではなく、前月に退院時指導を行った場合でも算定可能です。

4.4.2.複数のサービスで算定不可(算定1回の場合)

退院時共同指導加算を介護保険で1回請求(2回算定可能な利用者は除く)した場合。

同じ月に以下のサービスで退院時共同指導加算を同時算定は出来ません。

  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 看護小規模多機能型居宅介護
  • 医療保険における訪問看護

ただし特定の利用者で、退院時共同指導加算を2回算定出来る方はこれに当たりません。

4.5.1.退院時共同指導加算を2回算定する人とは?

特別な管理を必要とする利用者で、退院時共同指導加算を2回算定可能な方がいらっしゃいます。

この特別な管理を必要とする利用者とは厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等 第6号』に記載されています。

六 指定居宅サービス介護給付費単位数表の訪問看護費の注5の厚生労働大臣が定める状態

イ 診療報酬の算定方法(平成二十年厚生労働省告示第五十九号)別表第一医科診療報酬点数表(以下「医科診療報酬点数表」という。)に掲げる在宅悪性腫瘍等患者指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態

ロ 医科診療報酬点数表に掲げる在宅自己腹膜流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己痛管理指導管理又は在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態

ハ 人工門又は人工膀胱を設置している状態

ニ 真皮を越える褥瘡の状態

ホ 点滴注射を週三日以上行う必要があると認められる状態

引用:厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等 第6号

この上記の対象利用者が退院時共同指導加算を2回算定可能となっています

4.5.2回算定可能な利用者が複数のサービスを受ける場合

退所時共同指導加算を2回算定可能な利用者で

複数の

  • 訪問看護ステーション
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 看護小規模多機能型居宅介護

のサービスを受ける予定で、それぞれの事業所が退所時共同指導した場合は、1回ずつの算定も可能となっています。

複数の訪問看護等の事業所が退院時共同指導を行う場合は

主治医が所属する

  • 保健医療機関
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院

に対して、他の訪問看護ステーション等の退院時共同指導の実施有無について確認することが大事です。

4.6.初回加算と同時算定出来ない

訪問看護等のサービスを利用される時に算定可能な加算である『初回加算』。

もしこの初回加算を算定する場合は、退院時共同指導加算は算定できませんので注意が必要です。

 

5.Q&A

問39.退院時共同指導を実施した2ヶ月後に退院後初回の訪問看護を行った場合は退院時共同指導加算を算定できるのか。

(答)算定できない。退院後初回の訪問看護を行った月の同一月若しくは前月に退院時共同指導を実施した場合に算定できる。

24.3.16事務連絡 介護保険最新情報vol.267「平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成24 年3 月16 日)」の送付について

問40.退院時共同指導加算を2ヵ所の訪問看護ステーションで算定できるのか。

(答)退院時共同指導加算は、1回の入院について1回に限り算定可能であるため、1ヵ所の訪問看護ステーションのみで算定できる。ただし、特別管理加算を算定している状態の利用者(1回の入院につき2回算定可能な利用者)について、2ヵ所の訪問看護ステーションがそれぞれ別の日に退院時共同指導を行った場合は、2ヵ所の訪問看護ステーションでそれぞれ1回ずつ退院時共同指導加算を算定することも可能である。

24.3.16事務連絡 介護保険最新情報vol.267「平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成24 年3 月16 日)」の送付について

問41.退院時共同指導加算は、退院又は退所1回につき1回に限り算定できることとされているが、利用者が1ヶ月に入退院を繰り返した場合、1月に複数回の算定ができるのか。

(答)算定できる。ただし、例2の場合のように退院時共同指導を2回行った場合でも退院後1度も訪問看護を実施せず再入院した場合は、退院時共同指導加算は1回のみ算定できる。
(例1)退院時共同指導加算は2回算定できる
入院→退院時共同指導→退院→訪問看護の提供→再入院→退院時共同指導→訪問看護
の実施
(例2)退院時共同指導加算は1回算定できる
入院→退院時共同指導→退院→再入院→退院時共同指導→訪問看護の実施

24.3.16事務連絡 介護保険最新情報vol.267「平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成24 年3 月16 日)」の送付について

6.参考

7.最後に

退院時共同指導加算は医療や介護を要する利用者に対して、自宅でも安心安全に在宅生活を継続できるようにする大切な加算です。

病院や介護老人保健施設等と連携を図りより良い在宅生活を過ごせるように努めていきましょう。

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