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その使い方大丈夫? 車椅子の座面に滑り止めマットをしてはいけない理由

車椅子 滑り止めマット

いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。

高齢者が使用している車椅子を覗くと、たまに車椅子の座面シートの上に『滑り止めマット』だけを敷いてるのを見ます。

また座面クッションの上からも『滑り止めマット』を敷いている場面を見ます。

この滑り止めマット。

そのまま敷いてしまうと、車椅子利用者にとっては、あまり良い影響を与えないことが分かってます。

って事で今回は『その使い方大丈夫? 車椅子の座面とお尻の間に滑り止めマットをしてはいけない理由』を話したいと思います。

▼目次▼

1.滑り止めを敷いたらいけない理由

2.1疼痛、苦痛

2.2姿勢の崩れ

2.3褥瘡

3.滑り落ちないようにきちんと評価をしよう

4.適切な位置に置きましょう

5.まとめ

1.滑り止めを敷いたらいけない理由

たまに見かけるお尻と車いすの間に滑り止めマットを敷いている光景。

皆さんが車椅子の座面とお尻の間に滑り止めマットを敷く理由って何でしょう?

たぶん滑り止めマットを敷いた人の多くは、こう答えると思います。

介護士
車椅子からお尻が滑り落ちそうだから

確かにお尻が落ちないように滑り止めマットを敷くのは十分理解できます。

だって、家具とかも滑り止めマットを敷いていたら、ビクともしないですもんね。

しかし滑り止めマットを敷いてしまうと以下の影響を与えてしまいます。

  • 疼痛、苦痛
  • 姿勢の崩れ
  • 褥瘡

2.1疼痛、苦痛

車椅子に長時間座っていると、人は同じ姿勢がキツくなり姿勢を変えてキツさを解消しようとします。

キツさ解消の為に体を動かしたり、車椅子前方にお尻を滑らせようとするのです。

お尻が車椅子の前方へ滑っていくと、滑り止めマットとの間に『せん断力』というズレる力が生じます。

このせん断力が起こるとお尻の柔らかい皮膚に痛みを生じやすくなり、この環境が長時間続くと姿勢の崩れや『褥瘡』の原因になるのです。

2.2姿勢の崩れ

滑り止めマットを敷くことでお尻に痛みが生じる事が分かりました。

滑り止めマットで生じたお尻の疼痛や苦痛が発生してくると、人間はその痛みを少しでも回避するために腕を使ってプッシュアップや、姿勢を変えて痛みを和らげます。

しかしプッシュアップや姿勢変換が出来ない利用者は身体を傾けたり、お尻を余計に滑らしたりして仙骨座りなど体勢を変えようとするのです。

このように疼痛回避の為に姿勢変換が行われ、車椅子上で身体の傾きなどが見られやすくなるのです。

これは滑り止めマット無しでも生じる事ですが、滑り止めマットを敷くことで更に痛みを加速させてしまいます。

これが長く続くと身体の拘縮や変形の大きな原因になります。

2.3褥瘡

2.1疼痛、苦痛でも話しましたが、お尻にせん断力が生じると大変な状態を引き起こします。

それは褥瘡です。

褥瘡は外力の『圧縮力』『せん断力』『引っ張り応力』で発生しやすく、滑り止めマットと皮膚の間では体を滑らせないように滑りマットが働くので、強いせん断力が生じやすくなります。

このせん断力の為、滑り止めマットを使用することで褥瘡が発生しやすく注意が必要です。

3.滑り落ちないようにきちんと評価をしよう


以上のように滑り止めマットを敷くことで、様々な問題が見られる可能性があります。

これらの問題を起こさないためにも、なぜ車椅子から滑り落ちそうになるかしっかりと評価しましょう。

車椅子の評価を行った上で、どのようにアプローチすれば解決できるかを考える必要があります。

4.適切な位置に置きましょう

ちなみに車椅子用の滑り止めマットは、車椅子メーカーさんから発売されてます。

この滑り止めマットの使い方は、座面クッションと座シートの間に敷いて座面クッションが滑り落ちないようにする物です。

また市販の滑り止めマットでも代用は出来ます。

しっかりと滑り止めマットの使用方法を把握して使いましょう。

決して座面とお尻の間に敷かないように!

5.まとめ

滑り止めマットを座面とお尻の間に敷いてしまうと以下の危険が考えられます。

  • 疼痛、苦痛
  • 姿勢の崩れ
  • 褥瘡

この危険を起こさないためにもしっかりと評価を行い、アプローチをしていきましょう。

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