いつもお世話になっています!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
高齢者施設などに勤めていると、たまに見かける光景があります。
それは長時間車椅子に座ってお尻が滑って『仙骨座り』になって過ごしている高齢者です。
この仙骨座りは様々な原因で起こり、褥瘡などを引き起こす恐れがあります。
では、なぜ仙骨座りをしたままだと、褥瘡になるのでしょう?
またどうやって仙骨座りによる褥瘡を防げばいいのでしょうか?
って、ことで今回は『仙骨座りは褥瘡になる?その原因と対処法』について話したいと思います。
1.まずは仙骨座りって?
まずは仙骨座りって、どんな姿勢のことを指すのでしょうか?
仙骨座りは骨盤が真っ直ぐ立っておらず、仙骨部分が座面に接しており、猫背のように丸まっている状態をさします。
この状態が長く続いてしまうとタイトルに挙げたような褥瘡を形成したり、他には身体が横に倒れた姿勢で、固まってしまいます。
そうなると日常生活(ADL)に支障が多々見られるようになってくるのです。
詳しくは下記のページをご覧ください。
2.なぜ仙骨座りは褥瘡になるのだろう?
では、なぜ長時間車椅子に仙骨座りになっていると、お尻に褥瘡が出来てくるのでしょうか?
仙骨座りによる褥瘡形成の流れとして、以下のような感じで出来てきます。
また長時間おむつを交換されてなかったり、低栄養なども褥瘡ができやすい要因となっています。
2.どんな場所や形の褥瘡ができる?
仙骨座りによる褥瘡が出来る流れは理解できたと思います。
次に仙骨座りで出来た褥瘡。
特徴的な場所や、形を作り出していきます。
この仙骨座りの褥瘡の場所や形が分かると
あぁ~、仙骨座りで出来た褥瘡なんだな
と、大体の予測が立てやすくなります。
では、順を追って説明していきましょう。
3.1.仙骨座りで出来る褥瘡の場所
まず仙骨座りで出来る褥瘡の好発部位ですが、主に2つあります。
1.座骨結節部
2.仙骨部
仙骨座りの褥瘡の場所としてまず想像してほしいのが、どのように身体が滑っていくのかを考えることです。
以下の図をご覧ください。
仙骨座りが起こっている骨盤を見ると、座面や背面に接している場所が2か所存在します。
それは上記に挙げた、『座骨結節部』と『仙骨部』です。
坐骨結節…座面に座った時、お尻の下に手を敷いて座ると、当たる突起が坐骨結節です。
この2か所はイスの前方へ身体が滑り、前方へズレる圧力が発生した場合。
上半身の体重が全部かかる骨盤で、座面・背面と一番接している部分の為、圧が集中し褥瘡が発生しやすくなります。
そのことにより、仙骨部と坐骨結節部には褥瘡が出来てしまうのです。
また仙骨部の褥瘡の形は前方へズレ力が掛かるため、逆ハート型の褥瘡を形成する可能性があります。
因みに坐骨結節部は点か縦長の楕円になる事があります。
3.仙骨座りによる褥瘡の対処法
仙骨座りで発生する褥瘡の対応策としては以下のものがあります。
1.適度な体圧分散
2.適切なシーティング
3.適切な栄養
これらを組み合わせて、褥瘡対策を行うことが必要です。
4.最後に
仙骨座りによる褥瘡は様々な原因によって発生します。
しっかりアセスメントして、褥瘡対策をする・未然に予防していきましょう。
1.姿勢変換出来ず、体圧分散ができない
↓
2.痛みや耐えられず、車椅子前方に滑る
↓
3.お尻とクッションの間に前方へズレる圧がかかる
↓
4.長時間この状態が維持され、褥瘡形成