【令和6年度改定対応】訪問リハビリの退院時共同指導加算とは?算定要件・Q&A・実地指導対策まで徹底解説

退院時共同指導加算 算定要件

令和6年度介護報酬改定において、訪問リハビリテーションに「退院時共同指導加算」が新設されました。

病院から在宅へ移行する利用者が増える中で、退院前から病院と訪問リハビリ事業所が連携し、切れ目のないリハビリ支援を行うことが求められています。

しかし現場では、

  • 退院前カンファレンスに参加しただけで算定できるのか
  • オンライン参加でも問題ないのか
  • 記録には何を書けばよいのか

といった疑問の声も少なくありません。

本記事では、退院時共同指導加算の概要から算定要件、実務上の注意点、厚生労働省Q&Aを踏まえた解釈までわかりやすく解説します。


1.退院時共同指導加算とは

退院時共同指導加算とは、病院または診療所に入院中の利用者が退院する際に、訪問リハビリ事業所の医師またはPT・OT・STが退院前カンファレンス等に参加し、病院職員と共同で利用者や家族へ指導を行った場合に算定できる加算です。

この加算の目的は、病院でのリハビリから在宅でのリハビリへ円滑に移行するための支援を評価することにあります。


2.単位数

単位数
退院時共同指導加算600単位/回

算定できるのは「1回の退院につき1回まで」です。

同一利用者であっても再入院後に再度退院した場合は、その退院ごとに要件を満たせば算定可能です。


3.算定要件

算定には次の要件をすべて満たす必要があります。

① 病院または診療所に入院中であること

対象となる利用者は病院または診療所に入院している方です。

② 訪問リハ事業所職員が退院前カンファレンスに参加すること

参加できる職種は、

  • 医師
  • 理学療法士(PT)
  • 作業療法士(OT)
  • 言語聴覚士(ST)

です。

③ 情報共有を行うこと

病院側の医師やリハビリ職等と、

  • ADL状況
  • 転倒リスク
  • 住宅環境
  • 福祉用具
  • 家族支援体制

などの情報を共有します。

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④ 利用者または家族へ共同指導を行うこと

ここが最も重要なポイントです。

単なるカンファレンス参加ではなく、

  • 移乗方法
  • 歩行時の注意点
  • 自主トレーニング
  • 福祉用具活用方法
  • 介助方法

などについて利用者または家族へ共同指導を行う必要があります。

上記の内容をしっかり伝える事で、ご本人やご家族に安心感を与え、在宅生活が長く続く様に支援していく事が大切です。

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⑤ 指導内容を訪問リハビリ計画へ反映すること

共同指導で得られた内容を訪問リハビリテーション計画へ反映しなければなりません。

⑥ 退院後に初回訪問リハビリを実施すること

共同指導だけでは算定できません。

退院後に実際の訪問リハビリを開始して初めて算定可能となります。


4.算定の流れ

STEP1

退院予定の情報を病院から取得

STEP2

退院前カンファレンスへ参加

STEP3

利用者・家族へ共同指導

STEP4

訪問リハ計画へ反映

STEP5

退院後に初回訪問リハを実施

STEP6

退院時共同指導加算を算定


5.オンライン参加は可能?

現在はテレビ電話装置等を活用した実施も認められています。

ただし、

  • 利用者または家族の同意取得
  • 個人情報保護への配慮
  • 安全な通信環境の確保

が必要です。

単なる電話参加ではなく、相互に状況確認できる環境が望まれます。


6.実地指導で確認されやすいポイント

実地指導では以下の確認が行われることがあります。

参加記録

  • 実施日時
  • 参加職種
  • 参加者氏名

指導内容

  • どのような説明を行ったか
  • 利用者・家族の反応

計画への反映

  • 指導内容が訪問リハ計画に反映されているか

7.記録例

【退院時共同指導記録】

実施日:令和〇年〇月〇日

参加者:
病院主治医、病棟看護師、PT
訪問リハPT
利用者本人、長男

内容:

・屋内歩行はT字杖を使用
・玄関段差昇降時の介助方法を指導
・転倒予防のため夜間照明設置を提案
・自主訓練メニューを説明
・退院後は週2回の訪問リハを予定

訪問リハ計画へ反映済み


8.よくある算定ミス

カンファレンス参加のみ

もっとも多い誤りです。

共同指導を行っていなければ算定できません。

記録不足

「参加した」だけでは不十分です。

指導内容まで記録しましょう。

計画への反映漏れ

共同指導内容が訪問リハ計画に記載されていない場合、根拠が不十分となります。


9.よくあるQ&A

Q1. PT・OT・STのみの参加でも算定できますか?

訪問リハ事業所側のPT・OT・STが参加し、共同指導の要件を満たしていれば算定可能です。

Q2. 家族が参加できない場合は?

利用者本人への指導が行われていれば算定可能です。

ただし介助者となる家族への説明が望ましいでしょう。

Q3. カンファレンスのみで利用者へ説明していません

算定できません。

共同指導の実施が必要です。

Q4. オンラインでも算定できますか?

所定の要件を満たせば可能です。

Q5. 初回訪問前に再入院した場合は?

初回訪問リハを実施していない場合は算定できない可能性があります。

Q6.通所及び訪問リハビリテーション事業所が一体的に運営されている場合においては、併算定できる?

一体的には併算定できません。

ただし各事業所の医師等がそれぞれ退院前カンファレンスに参加して、退院時共同指導を行った場合は、各事業所において加算を算定可能です


10.まとめ

退院時共同指導加算は、病院と在宅をつなぐ重要な評価項目です。

算定のポイントは、

  • 退院前カンファレンスへの参加
  • 情報共有
  • 利用者・家族への共同指導
  • 訪問リハ計画への反映
  • 退院後初回訪問の実施

の5点です。

特に「カンファレンス参加のみでは算定できない」という点は実務上非常に重要です。

記録を適切に残し、多職種連携を強化することで、利用者の在宅生活をより安全に支援していきましょう。


【引用・参考資料】

・厚生労働省「令和6年度介護報酬改定関連資料」

・厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準

・厚生労働省「介護報酬改定に関するQ&A」

※本記事は上記公的資料を参考に筆者が独自に解説したものであり、算定を保証するものではありません。実際の請求にあたっては最新の通知・Q&Aをご確認ください。

 

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