いつもお世話になっています!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
現在の日本は高齢者に対して介護が受けられる様々な施設形態が存在し、その施設によって受けられるサービスやケアが異なってきます。
その中でも昔から”終の棲家”と言われている特養(介護老人福祉施設)では病院や老健とは異なるサービスが展開されてます。
病院や老健では制度的に当たり前に行えることなのに、特養では出来ない事が多々あり、この事は特養に勤めてみて改めて感じました。
入居者に対して、不便を少しでも埋められるように、老健でも働いたことがある理学療法士から特養の入居前にリハビリの視点から揃えて貰いたい物があります。
って、ことで今回は『リハ職からの視点!特別養護老人ホームに移る前に揃えて欲しい物』について話したいと思います。
1.車椅子
これは出来たら揃えて欲しい物の一つです。
車椅子
ホントは入居者の車椅子は特養自体が揃えないといけないんですが、これには入居前に揃えて欲しい理由があるのです。
現在の特養の入居条件として、特例を除き要介護3以上の入居者が殆どを占めています。
フツーに考えてみると要介護3以上の方って、大抵は歩行器や杖などの歩行補助具を使用する方はあまりいません。
いたとしても数名程度です。
なので殆どの方が移動手段として、車椅子を使用しています。
特養の場合は施設で車椅子を準備することが原則になっています。
入居者がご本人持ちの車椅子を持っていればいいんですが、ほとんどの入居者には施設にある車椅子を使用する事が多いです。
別に特養にある車椅子を使ってもいいんです。
いいんですが、特養によっては古い車椅子しかなかったり普通型車椅子や入居者の体型に合ってないのに乗せられたりするので、身体機能に支障をきたす恐れがあります。
このような不適合な車椅子を使用することは、入居者の身体機能の低下を助長してしまう可能性があるのです。
なのでなるべく入居前に購入して頂くか、身体障害者手帳で申請して頂ければありがたいです。
特に何も稼働しない普通型車椅子よりアームサポート跳ね上げや、背張り調整等が付いた物がいいと思います。
また車椅子クッションも忘れずに。
2.補装具・自助具
補装具や自助具もある程度、現在の身体状況で合わせている物を特養入居時に揃えて頂きたいです。
特養では病院受診を頻回に行くことが難しく、また理学療法士等のリハビリ専門職が常勤でいることが多くない現状があります。
なのでもし特養入居が決まった際には、今後の生活を考えて補装具や自助具を作成して頂ければありがたいと思います。
3.身体障害者手帳
上記の1.2.も重要ですが、一番作っていて欲しいのが、身体障害者手帳です。
なぜかと言うと、身体障害者手帳は上記の項目で挙げた『車椅子』や『補装具』の作製が可能だと言える点があります。
特養にリハビリ専門職等の評価が出来る者が居れば、車椅子や補装具の再作製評価ができます。
またリハビリ専門職が常時居なくても、生活行為向上連携加算という加算があり、外部の病院等からリハビリ専門職が評価に訪れる事が可能となっています。
なので身体障害者手帳さえあれば、車椅子や補装具をスムーズに再作製出来るので、病院や老健等を退院する前に申請して頂きたいです。
4.無理ならアドバイス等の申し送りを・・・
リハビリ専門職からの環境調整や特養の介護スタッフに対してのアドバイス等の申し送りをして頂ければと思います。
看護サマリー等は頂いたりしますが、リハビリ職からの視点でサマリーを頂ければ、現在の身体能力や嚥下状態を把握出来ますし・・・
入居前のリハビリの状況が分かれば、特養に来てからのケアや生活リハビリに生かせる物があるかもしれませんので。
5.最後に
病院や老健から特養に入居になるとリハビリの回数も減る可能性がありますし、下手すれば機能訓練指導員が居らず、訓練がない事もあります。
なので、身体状況を入居者の生活環境で少しでも悪化させることが無いように、病院や老健でも準備して送り出して頂ければ有り難いと思います。