いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
介護報酬には様々な加算が存在し、老健には認知症に関する加算が幾つかあります。
その中の一つに『認知症情報提供加算』というのが存在します。
って、ことで今回は『認知症疑いの利用者を紹介!認知症情報提供加算の算定要件』について話したいと思います。
目次
1.単位数
認知症情報提供加算の単位数は以下のようになっています。
単位数 | |
認知症情報提供加算 | 350単位/回 |
認知症情報提供加算は1人の入所者に対して、入所期間中に1回のみ算定可能です。
2.取得可能施設
認知症情報提供加算は以下の施設形態で取得可能です。
- 介護保健施設サービス
3.算定要件
認知症情報提供加算の算定要件は以下のようになっています。
3.1.対象者
認知症情報提供加算の対象者は、ある利用者が今までに医療機関等で脳血管疾患やアルツハイマー病等の『認知症』の原因疾患が特定されておらず。
認知症の疑いがあると医師が判断した者を指します。
認知症疑いの利用者を介護保健施設での診断が難しく、認知症判断のために構成労働大臣が定める機関に診断状況を示す文書を提供した場合に算定出来ます。
認知症疑いのおそれがある基準として
- MMSE(Mini Mental State Exami
nation)おおむね23点以下 - HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)おおむね20点以下
となっています。
また認知症による認知機能の低下
や周辺症状の出現により、日常生活に支障を来している場合も含まれます。
3.2.施設内の診断が困難な利用者とは?
認知症情報提供加算で記載されている『施設内での診断が困難』とは、どのような状態を指すのでしょうか?
介護老人保健施設の医師が認知症の鑑別診断が困難な利用者は以下の人達を指します。
- 入所者の症状
- 施設の設備
- 医師の専門分野等の状況等
3.3.診断状況を示す文書とは?
認知症情報提供加算で記されている『診療状況を示す文書』とはどのような物でしょうか?
『診療状況を示す文書』として以下の内容を含んだ文書の作成が必要となってきます。
- 入所者の症状経過
- 介護老人保健施設内で行った検査結果
- 現在の処方等
3.4.入所者または家族の同意
認知症情報提供加算では、介護保健施設の医師が厚生労働大臣が定める機関に診療状況の提供を行う場合。
必ず入所者または家族の同意を得て行う必要があります。
3.5.条件を満たさない併設の保健医療機関ではダメ!
認知症情報提供加算では、介護保健施設に併設する条件を満たさない保健医療機関に紹介した場合は算定出来ません。
ただし、『認知症疾患医療センター』やこれに類する保健医療機関は算定出来ます。
これに類する保健医療機関とは、以下の全てを満たさなければなりません。
- 認知症疾患の鑑別診断等を主として勤務した10年以上の経験を持つ医師
- CT及びMRIを両方有する
または
- 認知症疾患医療センターの運営事業実施要網の要件を満たす
かつ
- 都道府県、政令指定都市に『認知症疾患医療センター』に関する申請届出を提出している
または
- 明らかに申請の意思を示しかつ何らかの具体的な手続きを行っていると都道府県、政令指定都市が認めるもの
- 併設の介護老人保健施設に認知症専門棟がある
3.6.認知症の鑑別診断等に係る医療機関
認知症情報提供加算の要件に出てくる『認知症の鑑別診断等に係る医療機関』とはどのような機関でしょうか?
『認知症の鑑別診断等に係る医療機関』は体制が十分整備され、以下の内容が行える医師も確保されている機関を指します。
- 認知症の鑑別診断
- 専門医療相談
- 合併症対応
- 医療情報提供を行う
また必要な医師の配置として、以下の医師を1名以上配置しなければなりません。
- 専任の認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした10年以上の臨床経験を有する医師
また十分な体制として、以下の内容が行えることが重要となってきます。
- 血液検査
- 尿一般検査
- 心電図検査
- 神経心理検査
- 神経画像検査(CT又はMRI)
4.参考
- 指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成27年度)
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成27年度)
5.最後に
認知症の種類によって、治療法も異なりますし、ケアの方法も変わってきます。
認知症の種類が判別される事により、どのような中核症状や周辺症状が出現するか予測や対応する事が出来ます。
このような加算を上手く活用して、利用者が安心して生活出来るようにサポートしていきましょう。