排泄支援の取り組みを評価! 排せつ支援加算の背景と詳しい算定要件とQ&A

排せつ支援加算 トイレ介助 生活リハビリ

いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。

平成30年度の介護報酬改定から新規加算として排泄に関する加算が創設されました。

って事で今回は、『排泄支援の取り組みを評価! 排せつ支援加算の背景と詳しい算定要件とQ&A』について話したいと思います。

▼目次▼

1.背景

2.排泄介助量軽減に取り組むプロセスを評価

3.介助の頻度改善等では加算取得出来ない

4.単位数

5.算定要件

5.1.排泄に介助を要する入所者とは?

5.2.要介護状態の改善する見込み判定は医師か連携した看護師

5.3排せつ支援計画書の共同作成

5.4要因分析とアプローチ方法

5.5.入所者又は家族に説明及び同意

5.6.算定終了後は排せつ支援計画書の記載と説明を

5.7.計画書の定期更新は記載されず。しかし、、、

6.Q&A

7.詳細

8.最後に

1.背景

排せつ支援加算 在宅復帰困難
引用:第153回社会保障審議会介護給付費分科会資料

入所者が在宅復帰を目指す際に、家族にとって一番の問題点があります。

それは排泄に関することであり、排泄が自立していないことで在宅復帰が困難になっていることが多いようです。

そのため国としては排泄支援に取り組み、在宅復帰が可能になるよう排泄にアプローチした施設にはインセンティブを与えるような仕組みを作りました。

それが『排せつ支援加算』です。

またPスケの見解ですが、ゆくゆくはおむつ代を施設サービス費から外して給付費用を下げる目的で創設したのではと考えられます。

2.排泄介助量軽減に取り組むプロセスを評価

通常の介護を行って、さらに特別な支援を行い排泄に関する介助量が軽減出来る見込みがある入所者が対象です。

排泄の介助量が改善しなくてもアセスメントし改善に取り組んだ事を評価する加算なので、結果は特に関係ありません。

3.介助の頻度改善等では加算取得出来ない

この排せつ支援加算はいくらスタッフの介助頻度を増やしてトイレに行ける回数が増えたとしても加算取得できません。

 

留意事項には以下の文言があります。

5(35)① 本加算は、全ての入所者について、必要に応じ適切な介護が提供されていることを前提としつつ、さらに特別な支援を行って排せつの状態を改善することを評価したものである。

引用:<http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000202748.pdf#page=37″ target=”_brank”>指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(抄)

なので、算定される際はこの点に気をつけて下さい。

4.単位数

排せつ支援加算は各種の施設系サービスで算定可能です。


  • 介護老人福祉施設
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設


  • 地域密着型介護老人福祉施設
  • 介護医療院


 

排せつ支援加算点数は以下のようになっています。

点数
排せつ支援加算 100単位/月

排泄支援を開始した月から算定可能で、この排せつ支援加算は起算日から6月以内しか算定できません。

 

また入所期間中に一度加算を取得した場合、同じ入所期間中は取得出来ないといったルールがあります。

5.算定要件

排せつ支援加算の算定要件は以下のようになります。

 

排せつに介護を要する入所者であって、適切な対応を行うことにより、要介護状態の軽減若しくは悪化の防止が見込まれると医師又は医師と連携した看護師が判断した者に対して、介護老人保健施設(指定介護老人福祉施設等の施設系サービス)の医師、看護師、介護支援専門員その他の職種が共同して、当該入所者が排せつに介護を要する原因を分析し、それに基づいた支援計画を作成し、当該支援計画に基づく支援を継続して実施した場合は、支援を開始した日の属する月から起算して6月以内の期間に限り、1月につき所定単位数を算定する。ただし、同一入所期間中に排せつ支援加算を算定している場合は、算定しない。

引用:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示を一部改編

 

この算定要件を1つずつ紐解いていきたいと思います。

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5.1.排泄に介助を要する入所者とは?

排せつ支援加算 尿器
文言の始めに『排泄に介助を要する入所者』とあります。

この『排泄動作に介助を要する入所者』は『認定調査員テキスト 2009 改訂版(平成27年4月改訂)』を基に評価を行います。

まず排泄動作とは以下の事を指します。

 

排尿の場合

  1. 『排尿動作(ズボン・パンツの上げ下げ、トイレ、尿器への排尿)』
  2. 『陰部の清拭』
  3. 『トイレの水洗』
  4. 『トイレやポータブルトイレ、尿器等の排尿後の掃除』
  5. 『オムツ、リハビリパンツ、尿とりパッドの交換』
  6. 『抜去したカテーテルの後始末』

 

排便の場合

  1. 『排便動作(ズボン・パンツの上げ下げ、トイレ、排便器への排便)』
  2. 『肛門の清拭』
  3. 『トイレの水洗』
  4. 『トイレやポータブルトイレ、排便器等の排便後の掃除』
  5. 『オムツ、リハビリパンツの交換』
  6. 『ストーマ(人工肛門)袋の準備、交換、後始末』

排泄動作にはこれらの一連の流れがあり、この排泄動作で『一部介助』又は『全介助』と判断された入所者が対象になります。

5.2.要介護状態の改善する見込み判定は医師か連携した看護師

  • 全介助  → 一部介助
  • 一部介助 → 見守り

など『特別な支援を行った際に介護状態が改善する見込みがある』との判断を下すのは医師と連携している看護師(以下、看護師)です。

 

もし看護師が改善の見込みの判断を行った場合、支援前に医師に報告する義務があります。

また利用者に背景疾患でリスクなどを考えなければならない時は、医師に相談する必要があります。

 

排せつ支援計画書(別紙様式6)に医師・看護師の記名欄がありますが、支援前の報告や利用者の勘案などはケース記録などに記載しておくといいかもしれません。

5.3排せつ支援計画書の共同作成

排せつ支援加算 支援計画書
各学会から発表されているガイドラインを参考に支援計画を作成していきます。

ちなみに、これまでに施設で使用されていた施設サービス計画書等に排せつ支援計画書(別紙様式6)の内容が判断できる項目が網羅されていれば、代用は可能です。

また介護福祉施設サービスの場合、褥瘡ケア計画書と同じで排せつ支援計画書と同等の内容を施設サービス計画書に記載してあれば排せつ支援計画書の代わりになります。

EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン(編集:泌尿器科領域の治療標準化に関する研究班)

 

共同作成の構成員は

  • 医師又は看護師
  • 介護支援専門員
  • 入所者の状態を把握している介護職員

 

また以下の職種は薬剤や、食生活・生活動作等の状況に応じて共同作成者に加えます。

  • 薬剤師
  • 管理栄養士
  • セラピスト(PT、OT、ST)など

計画作成に当たっては、委員会や会議等を開催して作成を行えばいいと思います。

またその共同作成を行った際は会議録や記録の記載等を行うことが良いと考えます。

5.4要因分析とアプローチ方法

排せつ支援加算 要因分析 支援計画
排せつ支援計画書を作成するにあたり、要因分析支援計画を行う必要があります。

簡単に書きだすと

 

要因

  • 病態(切迫性?腹圧性?溢流性?・・・)
  • 症状
  • 排泄パターン
  • 排泄動作
  • 食事等

 

支援計画

  • 排泄機能・排泄動作に対するリハビリ?
  • 薬物治療?
  • 食生活?
  • 環境調整?など

上記以外にも様々な要因から個別性のある支援計画を立て、排泄に関する内容なので尊厳が確保できるようにする必要があります。

5.5.入所者又は家族に説明及び同意

排せつ支援加算の取得にあたり、計画の作成に関与したスタッフが入所者や家族に排せつ支援計画書の説明と同意のサインが必要となります。

また排泄支援を開始した後でも、入所者や家族から支援の中断を希望した時は中止が可能です。

5.6.算定終了後は排せつ支援計画書の記載と説明を

排せつ支援加算 総括 終了
排せつ支援計画書に『加算終了時点の排せつに関する状態』と『総括』の欄があります。

排せつ支援加算の算定が終了した時に、この加算終了時点の排せつに関する状態と『総括』の欄を記載し、入所者や家族へ説明をしなければなりません。

5.7.計画書の定期更新は記載されず。しかし、、、

H30.4.5の時点で排せつ支援計画書の定期更新の記載は確認できていません。

ただし入所者の身体機能などの状態は日々変化しているので、更新していくことが必要だと思われます。

もし排せつ支援計画書の定期更新に関する文言があれば、追って記載します。

6.Q&A

問 84 .排せつに介護を要する原因を分析し、それに基づいた支援計画を作成する際に参考にする、失禁に対するガイドラインに、以下のものは含まれるか。
・EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン(平成 16 年 泌尿器科領域の治療標準化に関する研究班)
・男性下部尿路症状診療ガイドライン(平成 25 年 日本排尿機能学会)
・女性下部尿路症状診療ガイドライン(平成 25 年 日本排尿機能学会)
・便失禁診療ガイドライン(平成 29 年 日本大腸肛門病学会)

(答)いずれも含まれる。

 

 

問 85. 排せつ支援加算について、「支援計画に基づく支援を継続して実施した場合は、支援を開始した日の属する月から起算して6月以内の期間に限り、1月につき所定単位数を算定する。ただし、同一入所期間中に排せつ支援加算を算定している場合は算定しない」とされているが、

1)「支援を継続して実施」を満たすためには、毎日必ず何らかの支援を行っている必要があるのか。
2)支援を開始した日の属する月から起算して6月の期間が経過する前に、支援が終了することも想定されるか。その場合、加算の算定はいつまで可能か。
3)「同一入所期間中に排せつ支援加算を算定している場合は算定しない」とは、入所中1月分しか当該加算を算定できないという意味ではなく、加算が算定できる6月の期間を経過する等によって加算の算定を終了した場合は、支援を継続したり、新たに支援計画を立てたりしても加算を算定することはできないという意味か。

 

(答)
1)排せつに関して必要な支援が日常的に行われていれば、必ずしも毎日何らかの支援を行っていることを求めるものではない。
2)想定される。例えば、6月の期間の経過より前に当初見込んだ改善を達成し、その後は支援なしでも維持できると判断された場合や、利用者の希望によって支援を中止した場合等で、日常的な支援が行われない月が発生した際には、当該の月以降、加算は算定できない。
3)貴見のとおりである。

 

問 14 「褥瘡対策に関するケア計画書」と「排せつ支援計画書」に関して、厚生労働省が示した様式通りに記載する必要があるか。

 

(答)「老企第 40 号平成 12 年 3 月 8 日厚生省老人保健福祉局企画課長通知」に記載の通り、厚生労働省が示した「褥瘡対策に関するケア計画書」、「排せつ支援計画書」はひな形であり、これまで施設で使用してきた施設サービス計画書等の様式にひな形同様の内容が判断できる項目が網羅されていれば、その様式を代用することができる。

引用:平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)

7.詳細

今回はざっと排せつ支援加算に関する内容を通りましたが、詳細は以下の厚生労働省のサイトにも記載されています。

8.最後に

平成30年度の介護報酬改定で様々な新規加算が創設され、その1つである排せつ支援加算も重要な加算です。

加算の算定要件をしっかり把握し、適切に加算を取得していきましょう。