いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
平成30年度の介護報酬改定では特養でも医療ニーズに応える加算が増えてきました。
医療ニーズに応える加算として『夜勤職員配置加算』も算定要件が新たに改定されています。
ってことで、今回は『看護師や喀痰吸引保持者配置でプラス 夜勤職員配置加算(Ⅰ)~(Ⅳ)の算定要件』について話したいと思います。
目次
▼目次▼
- 1.夜勤職員配置加算とは?
- 2.改定の背景
- 3.算定可能な施設
- 4.点数
- 5.算定要件
- 5.1夜勤職員配置加算(Ⅰ)・(Ⅱ)
- 5.2夜勤職員配置加算(Ⅲ)・(Ⅳ)
- 6.夜間職員配置加算(Ⅲ)・(Ⅳ)でも見守り機器使用で人員緩和?
- 7.最後に
1.夜勤職員配置加算とは?
介護施設では法律上、夜勤帯に一定の職員を配置しなければなりません。
介護老人福祉施設での夜勤職員の最低配置人員は、以下のようになってます。
従来型 | ユニット型 | |
入居者数 | 職員数 | 2ユニット毎に1名 |
25以下 | 1 | |
26~60 | 2 | |
61~80 | 3 | |
81~100 | 4 | |
101以上 | 4+(入居者の数 - 100) ÷ 25 |
- 短期入所を併設又は空床利用している場合
この夜勤職員の最低配置基準より人員配置を手厚くし、+1増やす事を評価するのが『夜勤職員配置加算』となってます。
2.改定の背景
特養などの介護福祉施設では看取り介護加算を取得できるなど、入所から亡くなるまでケアを行う場所となっています。
高齢者である入所者は様々な疾患を患っており、複数の疾患があるのは珍しくありません。
これらのことから、医療ニーズが高い利用者をケア・看取ることが増えているのが現状です。
このような医療ニーズに対応するため、夜間帯に看護師や喀痰吸引可能な介護士の配置で更に評価する加算となりました。
3.算定可能な施設
夜勤職員配置加算を取得可能な施設は、以下の通りです。
- 短期入所生活介護
- 介護老人福祉施設
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
4.点数
夜勤職員配置加算は施設の形態によって加算点数は異なります。
- 短期入所生活介護
点数 | |
従来型(Ⅰ) | 13単位/日 |
ユニット型(Ⅱ) | 18単位/日 |
従来型(Ⅲ) | 15単位/日(新設) |
ユニット型(Ⅳ) | 20単位/日(新設) |
- 地域密着型
点数 | |
従来型(Ⅰ)イ | 41単位/日 |
経過的(Ⅰ)ロ | 13単位/日 |
ユニット型(Ⅱ)イ | 46単位/日 |
ユニット型経過的(Ⅱ)ロ | 18単位/日 |
従来型(Ⅲ)イ | 56単位/日(新設) |
経過的(Ⅲ)ロ | 16単位/日(新設) |
ユニット型(Ⅳ)イ | 61単位/日(新設) |
ユニット型経過的(Ⅳ)ロ | 21単位/日(新設) |
- 広域型
単位数 | |
従来型(Ⅰ)イ (30人以上50人以下) | 22単位/日 |
従来型(Ⅰ)ロ (51人以上又は経過的小規模) | 13単位/日 |
ユニット型(Ⅱ)イ (30人以上50人以下) | 27単位/日 |
ユニット型(Ⅱ)ロ (51人以上又は経過的小規模) | 18単位/日 |
従来型(Ⅲ)イ (30人以上50人以下) | 28単位/日 (新設) |
従来型(Ⅲ)ロ (51人以上又は経過的小規模) | 16単位/日 (新設) |
ユニット型(Ⅳ)イ (30人以上50人以下) | 33単位/日 (新設) |
ユニット型(Ⅳ)ロ (51人以上又は経過的小規模) | 21単位/日 (新設) |
引用:平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について
5.算定要件
今回は、夜勤職員配置加算(Ⅰ)・(Ⅱ)、(Ⅲ)・(Ⅳ)の順番で説明したいと思います。
施設形態によって点数は違いますが、夜勤職員配置加算の算定要件に違いはありませんので、施設形態以外の共通した部分を説明したいと思います。
5.1夜勤職員配置加算(Ⅰ)・(Ⅱ)
夜勤職員配置加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は施設規模や施設形態が違うだけで、算定要件の内容は同じです。
夜勤職員配置加算の算定要件は上記の『1.夜勤職員配置加算とは?』でも述べたように、夜勤職員の最低配置基準より+1になる必要があります。
その夜勤職員配置加算の文言としては以下のようになっています。
㈡夜勤を行う介護職員又は看護職員の数が、夜勤を行う介護職員又は看護職員の数に一を加えた数以上であること。
また平成30年度の介護報酬改定より、見守り支援機器などのロボットを使用すると人員配置を軽減して算定が可能です。
ただし、次に掲げる要件のいずれにも適合している場合は、夜勤を行う介護職員又は看護職員の数に十分の九を加えた数以上であること。
(二)a利用者の動向を検知できる見守り機器を、利用者の数の百分の十五以上の数設置していること。
b見守り機器を安全かつ有効に活用するための委員会を設置し、必要な検討等が行われていること。
見守り支援機器を使用した夜勤職員配置加算よ詳しい内容は以下に記載されているので、ご覧ください。
5.2夜勤職員配置加算(Ⅲ)・(Ⅳ)
夜勤職員配置加算(Ⅲ)と(Ⅳ)は夜勤職員配置加算(Ⅰ)・(Ⅱ)の算定要件と、以下の要件を満たせば算定可能です。
㈡夜勤時間帯を通じて、看護職員又は次のいずれかに該当する職員を一人以上配置していること。
a介護福祉士であって、社会福祉士及び介護福祉士法施行規則(昭和六十二年厚生省令第四十九号)第一条各号に掲げる行為のうちいずれかの行為に係る実地研修を修了している者
b特定登録者であって、介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律附則第十三条第五項に規定する特定登録証の交付を受けている者
c新特定登録者であって、介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律附則第十三条第十一項において準用する同条第五項に規定する新特定登録証の交付を受けている者
d社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号)附則第三条第一項に規定する認定特定行為業務従事者
当たり前ですが喀痰吸引を行うに当たって、喀痰吸引に必要な研修を受け登録する必要があります。
各都道府県で研修は開催していますので、お住まいの役所で確認してみて下さい。
㈢㈡a、b又はcに該当する職員を配置する場合にあっては喀痰吸引等業務の登録(社会福祉士及び介護福祉士法第四十八条の三第一項に規定する登録をいう。)を、㈡dに該当する職員を配置する場合にあっては特定行為業務(社会福祉士及び介護福祉士法附則第二十条第一項に規定する特定行為業務をいう。)の登録(社会福祉士及び介護福祉士法附則第二十条第一項に規定する登録をいう。)を受けていること。
喀痰吸引を施設で行う場合は、『登録事業者』として施設を登録する必要があります。
喀痰吸引に関する内容は厚生労働省に『喀痰吸引制度について』という項目に記載されてます。
この『喀痰吸引制度について』を参考にしてみて下さい。
6.夜間職員配置加算(Ⅲ)・(Ⅳ)でも見守り機器使用で人員緩和?
夜間職員配置加算(Ⅲ)・(Ⅳ)の要件には、以下のような文言が記載されてます。
㈠ ⑴㈠及び㈡に該当するものであること。
この(1)(二)には、夜勤職員配置加算(Ⅰ)・(Ⅱ)の部分でも書いた見守り支援機器の件が記載されてます。
ということは、夜勤職員配置加算(Ⅲ)・(Ⅳ)でも見守り支援機器を使用しての人員緩和は可能と言うことになりそうです。
7.最後に
冒頭にも書きましたが、今後は特養でも今以上に医療ニーズに対応していく必要があります。
医療ニーズにしっかり対応し、取れる加算はしっかりと取得していきましょう。