いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
車椅子には様々な種類の車椅子が存在してて、その一つに『リクライニング型車椅子』がありますよね。
てなことで今回は『リクライニング型車椅子の特徴とデメリット リクライニング使用後は気をつけて』について話したいと思います!
目次
1.リクライニング型車椅子ってどんなの?
よく病院や施設で車椅子を見ることがあると思いますが、下の写真のような大きくゴツイのを見たことがありませんか?
これが『リクライニング型車椅子』と呼ばれるものです。
2.そもそもリクライニング型車椅子って何?
そもそもリクライニングって何なんでしょ?
リクライニングとは車椅子の背中部分『バックサポート』が倒れる『姿勢変換機構』が付いたものです。
工具などを使わずにレバーを握れば、バックサポートが倒れるような作りになってます。
また上の写真のようにバックサポートが倒れるのと連動して、足のせの『フットサポート』やふくらはぎ部分の『レッグサポート』が上がるようになっています。
3.特徴とメリット
リクライニング型車椅子の特徴として以下の内容があります。
- 『バックサポート』が倒れる構造
- ほぼ水平のフルフラットに出来る
- 『アームサポート』が着脱、押し込み式
このような特徴があり、以下のようなメリットがあります。
3-1.横移動がしやすい
3-2.水平位をとる必要がある利用者には良い
3-1.横移動がしやすい
たいていのリクライニング型車椅子はフットサポートとレッグサポートが連動して動きます。
そのためほぼ水平のフルフラットになり、アームサポートが着脱、押し込み式で邪魔にならなくなる構造になってます。
またフルフラットになるので車椅子からベッド、その逆も寝たまま利用者を横移動しやすいです。
3-2.水平位をとる必要がある利用者には良い
例えば起立性低血圧等の疾患で、頻回に水平位を取らざる得ない利用者がいた場合。
リクライニング型車椅子だとフルフラットにすることことが出来るので、水平位に対応できる構造になってます。
4.デメリット
このようにリクライニング型車椅子のメリットをお伝えしましたが、当然デメリットもあります。
- 4-1.リクライニング機構使用時に臀部の前方すべり、姿勢が崩れやすい
- 4-2.物によっては折り畳み出来ず、重量が重い
- 4-3.ホイールベースが長く取り回しにくい
4-1.リクライニング機構使用時に臀部の前方すべり、姿勢が崩れやすい
なぜリクライニングを行った際に臀部が前方へ滑って行くのでしょうか?
理由としては、リクライニング機構の回転軸と股関節周囲にある身体の回転中心が一致せず、ズレが生じてしまうから。
そのため身体が前方へ滑りやすくなるのです。
またリクライニングを起こすときは、バックサポートで背中を押すような形になる為、大腿部や殿部に圧がかかり褥瘡リスクが上がる可能性があります。
現在は下の車椅子のように、回転軸がほぼ一緒の位置にあるものや、殿部ごと一緒に倒れる車椅子も存在します。
4-2.物によって折り畳み出来ず、重量が重い
リクライニング型車椅子は重く折り畳みが出来ないことがほとんどです。
また構造上、重量があり自動車に積む際や持ち運びには不向きな作りになってます。
4-3.ホイールベースが長く取り回しにくい
『ホイールベース』とは車椅子の前輪である『キャスター』と後輪である『駆動輪』の接地点の距離を示します。
この距離がリクライニング型車椅子は普通型と比べ、転倒防止などの観点から長く設定されてます。
そのため狭い環境での取り回しがしにくい状況があります。
ただし現在はホイールベースが狭く、転倒防止バーが付いている車椅子も存在します。
5.必ず姿勢を正そう
このようにデメリットが多いので、リクライニング機構を使用した後は必ずすべり姿勢を正して下さい。
姿勢を正す事で座り心地が良くなり、褥瘡予防にもなるので!
6.まとめ
リクライニング型車椅子には特徴があり、
- 『バックサポート』が倒れる構造
- ほぼ水平のフルフラットに出来る
- 『アームサポート』が着脱、押し込み式
またメリットとして、
- 横移動がしやすい
- 利用者が水平位をとる必要がある人
が可能です。
ただし
- リクライニング機構使用時に前方すべり、姿勢が崩れやすい
- 物によって折り畳み出来ず、重量が重い
- ホイールベースが長く取り回しにくい
などのデメリットがあるためリクライニング機構を使用するときは、姿勢の修正などを行う必要があります。
また狭い環境で使用する時は取り回しがしにくいなどの状況が発生します。
そのようなメリット・デメリットを把握し、利用者にあった車椅子を選定してあげてください。