いつもお世話になっています!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
介護報酬の1つに『褥瘡マネジメント加算』というのがあります。
この褥瘡マネジメント加算を取得する際、『リスクあり』と判断された利用者は褥瘡ケア計画の作成しなければなりません。
この褥瘡ケア計画、書くのが結構悩むんですよね~。
って、ことで今回は『記入例も!褥瘡マネジメント加算の褥瘡ケア計画書の書き方』について話したいと思います。
目次
1.褥瘡マネジメント加算と褥瘡ケア計画書の対象者
そもそも褥瘡マネジメント加算とは何なんでしょうか?
褥瘡マネジメント加算とは定期的な評価を行い、褥瘡の発生を予防するよう計画的に褥瘡管理を行うことが目的とされています。
褥瘡マネジメント加算については以下のページで詳しく書いてありますので、是非、ご覧ください。
この褥瘡マネジメント加算の評価で、『褥瘡リスクあり』と判断された利用者に対して、褥瘡ケア計画を作成していかなければなりません。
この褥瘡ケア計画ですが…
厚労省が掲示している褥瘡ケア計画の書式を覗いてみると・・・
7つほどの項目が存在してます。
それではこの褥瘡ケア計画の7つの項目の書き方について、具体例を挙げながら一つずつ説明していきます。
2.褥瘡ケア計画の書き方
2.1.1.関連職種が共同して取り組むべき事項
関連職種が共同して取り組むべき事項の部分は、
- 医師
- 看護職員
- 介護職員
- 栄養士
- 介護支援専門員
- その他の職種等
の多職種で共同して取り組む内容を記載していきます。
例えば、
- 食事の際は離床し・姿勢・覚醒状態を確認
- 栄養状態
- ベッド臥床を減らす
- 活動性を上げる
- 定期的な体位変換・スモールポジショニング
- 関わった際はマルチグローブなどで除圧
- 移乗時の摩擦軽減
- リフトやスライディングシートの活用
等が挙げられます。
2.1.2.評価を行う間隔
この評価を行う間隔として、褥瘡マネジメント加算の算定要件には以下のように記載されています。
評価開始は施設入所時または利用開始時から三月に一回ずつ評価
また褥瘡発生時は、状態に応じてこまめな評価が必要です。
なので、この評価を行う間隔は
最長3月
~
最短1週間ほど
ぐらいの期間で記載しておいたほうがいいと思います。
必ずですが、褥瘡ケアの評価と計画の期間が切れ目がないように注意をしていて下さい。
褥瘡マネジメント加算の評価に関しては、以下のページに記載されています。
2.1.3.圧力・ズレの解除
褥瘡リスク増大要因の一つである『圧力・ズレ』も、この褥瘡ケア計画の項目にあります。
この『圧力・ズレの解除』項目は、『ベッド上』と『椅子上』に分けられてあり、それぞれに考えられる圧力・ズレの除去方法を検討していきます。
では、この圧力・ズレの基本的な考え方として、圧力・ズレを引き起こしてる『外的要因』を取り除く事を念頭に記載していきましょう。
具体例として
ベッド上
- 除圧やズレ等の除去(背抜き・マルチグローブ使用・シーツの張り方・寝る位置等)
- ムレ対策(定期的なオムツ交換)
- 2時間毎の体位変換
- ポジショニング
- クッションの選定
- マットレスの選定(体圧分散マットレス・エアーマットレス)
椅子上
- 定期的な体位変換・除圧
- ティルトリクライニング機構の活用
- 長時間同一姿勢の座位保持は避ける
- 車椅子からソファー等に移乗
- 10cm以上の座クッションの使用
- エアークッションの使用
- ハイブリッドクッションの使用
- シーティング
- 仙骨座りの防止
2.1.4.スキンケア
このスキンケアの項目では、名前の通りスキンケアに関する事を記載していきます。
褥瘡原因の記載。
処置の方法や薬剤・ドレッシング剤の使用・保湿方法。
また留意事項なども記載していきます。
- 保湿剤の塗布
- 薬剤・ドレッシング剤の選択
- 交換頻度
- 処置の手順
- 褥瘡原因(摩擦・ズレ・ムレ)
- 失禁の有無
- 定期的なおむつ交換など
2.1.5.栄養状態の改善
褥瘡は栄養状態によってもリスクが変動します。
例えば血液検査でアルブミン値が3.5g/dl以下を示すと、低栄養状態となります。
この低栄養が続くと、痩せてしまい褥瘡リスクも上がってしまいます。
なのでこの『栄養状態の改善』の項目では、栄養状態を改善する為の方法を載せておく事が大切です。
- 1日の必要エネルギー量(カロリー)
- 低栄養状態(あり・なし・栄養補助食品の提供)
- アルブミン値の確認
- 嚥下困難食(ゼリー・ムース状・刻み・トロミ・軟飯等)
- 食事量(安定・不安定)
- 覚醒状態
- 管理栄養士からみた留意点
3.1.6.リハビリテーション
この『リハビリテーション』の項目では、リハビリで改善できそうな褥瘡に関与する部分を書いていきます。
褥瘡では関節拘縮や姿勢変換によって褥瘡のリスクが変化してくるので、その点を考慮して作成すると良いかと思います。
具体例として、
- 関節拘縮の予防
- ポジショニング
- シーティング
- 座位姿勢変換
- 浮腫に関して
- リハビリから見た留意点等
3.1.7.その他
『その他』の部分は上記で書ききれなかった特記事項を記載していくと良いと思います。
例えば、
- 骨変形
- 皮膚の脆弱性など
4.最後に
褥瘡ケア計画の書き方は難しそうに感じられますが、一つ一つの項目を注視して日頃の褥瘡ケアに関することを記載していけば自ずとかけていくと思います。
一人一人の利用者の状態を見ながら、個別性のある褥瘡ケア計画を作っていきましょう。