さらに手厚い認知症ケアで算定!!重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)の算定要件

認知症ケア加算 算定要件 Q&A

いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。

平成30年度の介護報酬改定で新設された介護医療院。

介護医療院には既存の加算の他に今回から新しく創設された加算も存在します。

その一つが『重度認知症疾患療養体制加算』というものです。

重度認知症疾患療養体制加算は認知症利用者に手厚い人員とケアを行い、精神科病院と連携を図ることを評価する加算です。

前回に引き続き今回は重度認知症疾患療養体制加算のもう一つ、『重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)』の方について述べたいと思っています。

ってことで、今回は『さらに手厚い認知症ケアで算定!重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)の算定要件』について話したいと思います。

1.単位数

重度認知症疾患療養体制加算は(Ⅰ)と(Ⅱ)が存在し、その中でも介護度によって加算点数が異なっています。

ちなみに重度認知症疾患療養体制加算(Ⅰ)と重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)の同時算定は出来ませんので注意してください。

また重度認知症疾患療養体制加算(Ⅰ)よりも重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)の方が単位数が高めに設定されています。

1.重度認知症疾患療養体制加算(Ⅰ)

 単位数
要介護1 要介護2140単位/日
要介護3 要介護4 要介護540単位/日

2.重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)

 単位数
要介護1 要介護2200単位/日
要介護3 要介護4 要介護5100単位/日

2.取得可能施設

重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)の取得可能施設は平成30年度に創設された介護医療院に関連する施設のみに取得が可能となっています。

  • 介護医療院
  • 介護医療院における短期入所療養介護費

3.算定要件

重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)の算定要件は重度認知症疾患療養体制加算(Ⅰ)よりも要件が厳しく以下のようになっています。

重度認知症疾患療養体制加算(Ⅰ)との違いとして以下のようになっています。

  • 介護職員の人員配置が含まれない
  • セラピスト配置が作業療法士のみ

3.1.1.看護職員数

重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)では常勤換算法で看護職員の人員配置が決まっています。

看護職員の人員配置として、

看護職員 = 4 : 1 以上

となっています。

この場合、端数を増すごとに1人以上の人員配置が必要となります。

重度認知症疾患療養体制加算(Ⅰ)では介護職員の配置も可能でしたが、重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)では看護職員のみの要件となっているので注意してください。

3.1.2.決められた職種の配置

重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)の要件として決められた職種の職員を配置する必要があります。

その職種とは以下の職種のことを指します

  • 専任の精神保健福祉士又はこれに準ずる者(1名以上)
  • 作業療法士(1名以上)

これらの各職種が共同して入所者に対してサービスを提供することが求められています。

重度認知症疾患療養体制加算(Ⅰ)では理学療法士などの他セラピストでも取得可能でした。

しかし重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)では作業療法士のみとなり要件が厳しくなっています。

3.1.3.生活機能回復訓練室の要件

重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)では(Ⅰ)ではなかった生活機能回復訓練室の要件が含まれています。

内容として、

  • 60平方メートル以上の床面積
  • 専用の器械及び器具を備える

とされています。

ちなみに機能訓練室、談話室、食堂、レクリエーション・ルーム等と区画しないで、1つのオープンスペースとすることは差し支えありません。

また生活機能回復訓練室について、介護医療院サービスの提供に支障を来さない時は、他の施設と兼用して差し支えありません。

3.1.4.認知症入所者の割合

重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)では入所者の認知症割合が求められています。

まずは全員の入所者が認知症と確定診断されていることが大切です。

ただし入所後3カ月間、確定診断が得られまでの間

MMSE(Mini Mental State Examination):23 点以下

又は

HDS―R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール):20 点以下

を含む利用者とされています。

短期入所療養介護の利用者の場合は、認知症と確定診断を受けた者に限ります。

もし認知症でないことが明らかになった場合は、遅滞なく適切な措置を講じなければなりません。

この全員の入所者が認知症と確定診断されている中のうち

日常生活に支障を来す恐れのある症状または行動が認められ介護を必要とする認知症者の割合1/2以上占めなければなりません。

これは重度認知症疾患療養体制加算(Ⅰ)より自立度が低い利用者となっており、認知症の日常生活自立度で表すと以上となっています。

この認知症日常生活自立度:Ⅳ以上の割合を求める式は以下のようになっています。

 

(ⅰ) に掲げる数 ÷ (ⅱ) に掲げる数

(ⅰ) 届出を行った日の属する月の前三月における認知症高齢者の日常生活自立度のランクⅣ 以上に該当する者の延入所者数

(ⅱ) 届出を行った日の属する月の前三月における認知症の者の延入所者数

3.1.5.近隣の精神科病院との連携

重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)では認知症の入所者の受け入れ体制が出来るように、近隣の精神科病院との連携が必要となってきます。

詳細として、

  • 必要に応じて入所者を精神科病院へ入院させる体制
  • 精神科病院に勤務する医師が入所者に対して診察を週4回以上行う体制

となっています。

定期的な診察により詳細な状況の把握が行える体制を整える必要があるのです。

老人性認知症疾患療養病の全部又は一部を転換し開設した介護医療院の場合。

介護医療院の精神科医師

又は

神経内科医師

が入所者等の状況を把握するために、必要な入所者等に対し診察を週四回以上行うことで差し支えはありません。

この場合でも、近隣の精神科病院と連携し、必要に応じて精神病院に入所者を入院させる体制が確保されている必要があります。

3.1.6.身体拘束廃止未実施減算を算定しているとダメ

重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)では届出を行った日の属する月の前3月間で身体拘束廃止未実施減算を算定してないことが要件となっています。

なのでなるべく身体拘束廃止未実施減算を取得しないような仕組みが必要です。

4.参考

5.最後に

介護医療院では様々な加算が算定できるようになり、他の施設サービスにはない加算も存在します。

この重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ)もその中の一つで認知症利用者に対する手厚いケア・体制を整えることで得られる加算です。

今後高齢者は増え、認知症利用者も比例して増加する傾向があるので、認知症利用者をサポートできるような仕組みを作るのが大切だと感じます。

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