いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
医療や介護現場では患者・利用者で褥瘡や褥瘡リスクのある方に対して、空気で膨らむエアマットレスを使用してませんか?
褥瘡リスクのある方に対してエアマットレスが利用されていますが、以外にも自分たちのケアやリハビリ時に上手く活用できていないスタッフも見受けられます。
ってことで、今回は『意外に使ってない!?エアマットレスの背上げ・リハビリ機能を活用しよう』について話したいと思います。
1.リハビリ機能や背上げ機能を活用しよう
エアマットレスの機械には様々なボタンがあります。
『体重設定』はもちろんのこと、高機能エアマットレスになってくると『体位変換機能』や『冷え・ムレ対策』のボタンまで多機能になってきます。
その中でも大抵のエアマットレスに付いているボタンとして『背上げ機能』があります。
他にも似たような機能として『リハビリ機能』というのがあります。
どうやって使うのか分からない方もいらっしゃるでしょうが、これらの機能を上手く活用することにより利用者、スタッフ共に安楽・安心したケアを行うことができます。
2.『背上げ機能』『リハビリ機能』の特徴と押さないといけない理由?
エアマットレスの『背上げ機能』『リハビリ機能』の特徴と押さないといけない理由はどのようなものでしょうか?
『背上げ機能』の特徴として・・・
底着き防止やヘッドアップしても適切な圧で圧抜きを行うようになっています。
なぜそのようなことをするかというと、ベッドの背上げ(ヘッドアップ)した際にエアマットレスの曲がった部分の空気が抜け、底着き(空気で支えられない)を起こしやすくなります。
底着きをしてしまうとどうなるのでしょうか?
底着きを起こしたままにしていると、臀部がベッドのボトムやフレームに当たってしまい、褥瘡リスクが上がってしまいます。
この底着きを起こさないように、空気を調整するようになっているのがこの『背上げ機能』なのです。
またエアマットレスの曲がった部分に利用者にとっては不快となる”ずれ力”による圧がかかります。
この”ずれ力”もまた、解消の対象となっています。
次に『リハビリ機能』は・・・
除圧モードを解除し、一定の硬さに均一に膨らむように機能します。
なぜそのような機能があるかというと、リハビリを行う際に起き上がりや端坐位など利用者が動作を訓練として実施することがあります。
その時にエアマットレスだと除圧機能が働いている為、空気が抜け体重をかけると不安定になってしまいます。
エアマットレスが不安定だと動作がしにくくなり、起き上がりや端坐位に安定性が欠けてしまいます。
またエアマットレスが不安定だと、利用者を介助して端坐位や起居動作を行っている時、不安定でバランスを崩し転倒・転落のリスクも予想されます。
このようにエアマットレスが不安定にならないよう、『リハビリ機能』というのがあり空気圧を一定に保ちながら、エアマットレスの安定性を出すように作られているのです。
このリハビリ機能では主にフラットの状態で使用することが望ましいとされています。
3.どのような時に使う?
エアマットレスの『背上げ機能』『リハビリ機能』はどういう時に使うのでしょうか?
『背上げ機能』は
- ご飯を食べる
- 口腔機能など
背中を上げて(ヘッドアップ)、利用者が活動を行う時に押します。
それに対し『リハビリ機能』は
エアマットレスの硬さを一定にして行う行為・動作
- リハビリ
- おむつ交換
- 端坐位
- 体位変換
など
で実施されることが多いです。
4.使い方
エアマットレスの『背上げ機能』『リハビリ機能』の使い方はいたって簡単で、ただボタンを押すだけです。
ボタンはどこにあるのかというと・・・
エアマットレスは必ず本体やその周囲にリモコンやコントローラーが存在します。
このコントローラーの横に付いている『背上げ機能』や『リハビリ機能』を押すだけ、数分(遅くても5分程度)で切り替わります。
ある一定の動作・介助が終わり、『背上げ機能』『リハビリ機能』を使うことが無くなった場合。
もう一度同じ『背上げ機能』『リハビリ機能』のボタンを押すことで、除圧モードへ切り替わるようになっています。
5.もし切り替えるのを忘れてしまった時
もし『背上げ機能』『リハビリ機能』を使用していることを忘れて、リモコンのボタンを押さずに、次の利用者のところ等に行ってしまった場合。
安心してください!
この『背上げ機能』『リハビリ機能』は動く時間が決まっており、大体最長で2時間程度、除圧モードへ切り替わる仕組みになっています。
6.最後に
エアマットレスの『背上げ機能』『リハビリ機能』は臨床や在宅でもあまり専門職が使っていない印象があります。
ボタンを押さなくても、動作やケアを行うことができますが、質の高いものを受けて頂くためには、やはりこういった細かい動きを行うことで今後の生活に左右されてくるんだと思います。
少しずつ質の高いケアを行い、積み重ねていくことがより大きなQOLの向上を目指していきましょう。