いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
医療保険や介護保険の人員配置や算定要件を見てると、『常勤換算』っていう言葉をよく見ませんか?
って事で、今回は『算定要件や人員基準には常勤換算法を計算してみよう』ってことを話したいと思います。
常勤換算法とは?
常勤換算法は常勤者はもちろん、常勤では無い、パートなどの非常勤の従業員を常勤の従業員の数に変換する方法です。
雇用形態に関わらず、全従業員が労働時間に対して常勤の人が何人働いているかを『平均』して算出していきます。
なぜ常勤換算法が必要なの?
常勤換算は各施設や居宅サービスの人員基準が決まっています。
これは
事業が目的を達成するために必要な最低限度を定めたもの
であり、この人員基準を満たさないと、サービスの保持が出来ないとみなされ法令違反となるので注意が必要です。
そもそも常勤・非常勤って何?
よく常勤・非常勤って言葉が出てきますが、そもそもなんでしょうか?
介護保険の法令としては以下のように書いてあります。
当該事業所における勤務時間が、当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(週32時間を下回る場合は週32時間を基本とする。)に達していることをいうものである。
要するに
- 常勤 :決められた労働時間を勤務
- 非常勤:決められた労働時間の一部を勤務(パートなど)
という違いがあります。
常勤換算の計算方法
常勤換算法は以下のような説明文があります。
当該事業所の従業者の勤務延時間数を当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数で除する
※延時間数:非常勤の働いた勤務時間の合計数
となり、この計算式に当てはめて計算します。
ちなみに計算は1か月(4週間)にして行います。
・例えば常勤者が週32時間勤務の場合
32(時間/週) × 4(週) = 128(延時間)となります。
具体例で計算してみよう
例えば、ある常勤者の勤務時間が40時間/週の事業所に、1人の常勤者と3人のパート従業員がいるとします。
従業員の1週間の延時間は以下のとおりです。
- 常勤A (40時間)
- パートB(17時間)
- パートC(32時間)
- パートD(26時間)
これらの勤務時間の従業員を常勤換算法で計算すると、、、
常勤換算 = 常勤者数 + (非常勤の延時間数 ÷ 常勤の延時間数)= 1 +{(17+32+26)÷40}=2.875
小数点第2位以下は切り捨てです。
なので、常勤換算すると2.8人となります。
厚労省に記入するだけで計算できる表があるので、これで計算するのが簡単です。
常勤換算法の注意点
有給や出張の取り扱い
常勤者の有給や出張に関しては、勤務時間として含まれます。
しかし、非常勤の場合は以下の文言より有給・出張は勤務時間として含むことができません。
1.非常勤の従業者の休暇や出張の時間は、サービス提供に従事する時間とはいえないので、常勤換算する場合の勤務延時間数には含めない。
2.常勤の従業者の休暇等の期間については、その期間が暦月で1月を超えるものでない限り、常勤の従業者として勤務したものとして取り扱う。
産後休暇・育児休暇の取り扱い
産後休暇・育児休暇の場合も同様に長期休暇となるので、基本的に計算には含めません。
育児休暇明けで、短時間勤務の常勤職員の場合。
計算上では非常勤として取り扱う為、実際に勤務した時間で計算していきます。
ただし以下の全ての条件に当てはまった場合、常勤の所定労働時間数を週30時間とすることが可能です。
また常勤として取り扱うことが可能になります。
2.(1)に定められた育児短時間勤務職員の勤務時間が週30時間以上。
3.事業所として、利用者の処遇に支障がない体制を整えている。
まとめ
常勤換算法はパートなどの非常勤の従業員を常勤の従業員の数に変換する方法です。
この人員基準を満たさないと、法令違反となりますので注意が必要です。
内容としては難しくなく、計算表もあるのでしっかり理解しておきましょう。