いつもお世話になってます!Pスケ(@kaigonarehabilid)です。
機能訓練指導員として理学療法士が特養(介護福祉施設)で働いていると、必ずと言っていいほど『看取り』の入所者を対応する事があります。
Pスケ自身、特養に配置され1年程度しか経っていないので、看取りの入所者に介入することは経験としてあまり多くありません。
ただ、今後は機能訓練指導員が看取りの入所者に接する機会は増加すると思います。
少ない経験ですが、今回は看取りの入所者に対してPスケが機能訓練指導員として、どう動いて介入してきたかを少し紹介します。
ってことで『特養(介護福祉施設)の機能訓練指導員 看取り期の介入』について話したいと思います。
目次
▼目次▼
- 1.看取りとは?
- 2.機能訓練指導員の介入
- 2.1.リラクゼーション
- 2.2.ポジショニング
- 2.3.呼吸介助
- 2.4.姿勢の検討
- 2.5.環境整備
- 2.6.声かけ
- 3.あらためて思う、看取りは多職種連携が必要
- 4.最後に
1.看取りとは?
皆さんご存知かもしれませんが、そもそも看取りとはどういうことを指すのでしょうか?
全国老人福祉施設協議会の『看取り介護指針・説明支援ツール』には以下のように書かれています。
『看取り』とは
近い将来、死が避けられないとされた人に対し、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、人生の最期まで尊厳ある生活を支援すること。
とあり、人生の最後をどのように支えて行くかが介護施設で働くスタッフに求められる事だと思います。
『看取り』は医師や看護師、介護職だけではなく、機能訓練指導員も関わらなければならない重要な事です。
では、看取り期の利用者に対して、機能訓練指導員はどのような関わりを持てばいいのでしょう?
2.機能訓練指導員の介入
Pスケは機能訓練指導員として特養で働いて、1年程度(2018年現在)ですが、10名程の看取りの入所者を担当しました。
入所者はそれぞれ身体状況が違うので、機能訓練プログラムや介入は個人ごとに違いますが、大まかに列挙すると以下のようになります。
- リラクゼーション
- ポジショニング
- 介助法の検討
- 姿勢の検討
- 環境整備
- 声かけ
この機能訓練プログラムや介入方法を一つずつ説明していきます。
2.1.リラクゼーション
末期ガンの入所者や痛みを訴える方に対して、疼痛緩和や手指末端に浮腫が発生するので身体をマッサージするようにリラクゼーションを行う事があります。
また看取り期になると苦痛から関節拘縮も発生しやすく、オムツ交換や更衣などの生活動作に支障を来したり褥瘡が出来やすい状況になりやすいです。
このようなリスクから、なるべく関節拘縮を予防するように関節可動域訓練も実施しています。
2.2.ポジショニング
看取り期になると身体を動かせなくなり、苦痛を与えてしまう事があります。
また栄養状態の悪化やそれに伴う身体のやせ細りなどがあり、褥瘡のリスクが自ずと上昇してきます。
そのような状況を改善し楽な姿勢で寝れるように、ポジショニングを検討したりします。
ポジショニングとしてクッションの当て方であったり、マットレスの選定を行います。
2.3.介助方法
看取り期になると立位動作や移乗動作などが日に日に低下していくことがあります。
このような能力の低下が見られる場合、1人介助から2人介助など介助方法の変更を行ったり
スライディングボードや移乗用リフトなど福祉用具を活用した介助方法の提案を行うようにしています。
2.4.姿勢の検討
看取り期にまだ食事をする能力がまだ保たれている場合に、どのような姿勢で食事をされるかを検討をします。
姿勢の検討の際は嚥下状態等を考慮しないといけないので、管理栄養士や看護師などに相談をしながら座面クッションや背張り調整していきます。
食事以外にも、日中離床されて過ごすことや移乗方法、座位保持時間を考慮してティルトリクライニング型への変更したりします。
2.5.環境整備
先程も話しましたが、看取り期になると褥瘡のリスクや介助方法の変更によりご本人の生活環境を変更する必要があります。
例えばベッドマットレスをエアーマットレスへ変更したり。
普通型車椅子をティルトリクライニング型車椅子へ変更したり。
介助用リフトや介助がしやすいように、導線を確保するなどのアドバイスを行います。
2.6.声かけ
看取り期になってくると、上手く身体を動かしたり、意志疎通を取ることが難しくなってきます。
ただし、聴覚のみは亡くなるまで残存していることが多いと言われてます。
なので、なるべくお部屋の近くに寄ったときや、機能訓練指導員が介入しているときはなるべく声かけをするようにしています。
また好きだった歌を流したりして、聴覚から何かしらの刺激を与えるようにしています。
3.あらためて思う、看取りは多職種連携が必要
看取り介護を行うにあたって改めて思うことは、看取り介護もより多くの多職種連携が必要と感じる事です。
日によって、もしくは1分1秒で状態が変化していく看取り期の入所者をどのように全員でケアしていくか。
身体状態、栄養状態、家族の想い、ケアの状況などなど、、、
これらの事をお互いの職種が協力し、連携し合うことで最期を看取れる体制を作ることが重要だと毎回感じます。
その為には、PDCAサイクルで日頃の状況を確認し、お互いに話し合ってケアを行うことが大切だと思います。
4.最後に
看取り介護は日頃のケアと同じで、1人1人それぞれ違う看取りの仕方があります。
Pスケは自分の持っている最大限のスキルで介入してるつもりですが、まだまだ知識・実力不足を日々感じています。
しかし看取り期の介入には、これが正解というものは無いです。
入所者が少しでも安心して人生の最期を送れる様に私達、機能訓練指導員が力を発揮しつつ、多職種共同でサポートしていきましょう。